半導体シフトで再評価される「ガラス・土石」 住友大阪セメント・AGCに注目

2026年6月18日 13:58

 新NISAの拡充を機に、長期的な視点で成長株を探す個人投資家が増えている。いま注目したいのが、従来は「地味な素材産業」と見なされがちだった「ガラス・土石製品」セクターだ。

【こちらも】キオクシアHD、累進配当と成長戦略を強化 スーパーサイクル期待で投資妙味高まる

 実はこの業界、生成AI(人工知能)の普及に伴う世界的な半導体投資の拡大を背景に、高付加価値な半導体関連部材の「隠れた成長分野」へと変貌を遂げつつある。

 中東情勢の安定化による原油価格の落ち着きがコスト減の追い風となる期待もある中、業績の成長性に対して株価バリュエーションが割安な水準に放置されている、魅力的な2銘柄にスポットを当てたい。

■静電チャックの住友大阪セメント

 まず注目すべきが、住友大阪セメント(5232)だ。

 同社の半導体製造用「静電チャック」は、製造時にウェハーを固定するための極めて重要な部材である。特にデータ保存を担うNAND型フラッシュメモリー向けに強みを持ち、今後の半導体投資の回復や生産量拡大の波を捉えて、中期的な販売拡大が期待されている。

 市場では、同社の半導体関連製品の営業利益構成比が29年3月期にかけて約30%に達するとの見方もある。本業のセメント事業での石炭価格高止まりという懸念はあるものの、半導体という強力な成長エンジンが加わることで、株価の再評価(リレーティング)が進む可能性は高い。

 長期でじっくりと資産を育てたいNISA口座での仕込み候補として、選択肢の一つに入ると言えるだろう。

■幅広い製品ポートフォリオのAGC

 もう一社、中長期の技術革新の恩恵をフルに受けるとみられるのがAGC(5201)だ。

 同社は半導体業界向けに、最先端の「EUV(極端紫外線)マスクブランクス」や、ウエハーを磨く「スラリー(研磨剤)」など、極めて幅広い製品ポートフォリオを誇る。足元では苦戦したものの、米国のAI向け大手半導体メーカー向けの販売が今後大きく拡大する見通しだ。

 さらに市場が注目しているのが、次世代の半導体パッケージ基板として期待される「ガラス基板」である。従来の樹脂製に比べ、電気的特性や熱膨張率に優れるガラスやセラミックスは同社の得意分野で、28年以降の本格的な市場拡大に向けて開発を加速させている。

 原油価格が下落すれば、同社の塩化ビニル事業などのコストも緩和され、全体の業績を下支えするだろう。

■「目利き」が試される好機

 「地味な景気敏感株」から「半導体イノベーションの主役」へ。構造変化の過渡期にある今だからこそ、これら有望な素材銘柄を新NISAの成長投資枠でポートフォリオに組み入れる意義は大きい。

 目先の株価変動に一喜一憂せず、企業の持つ技術力と中長期的な需要拡大を信じて投資する、個人投資家の「目利き」が試される好機と言えそうだ

関連記事

最新記事