相場展望6月15日号 米国株: 超大型3銘柄のIPO・イラン戦闘終結「核抜き合意」後に注意 日本株: イラン戦闘「部分合意」なのに、6/15日経平均は上げ幅が大きい

2026年6月15日 16:55

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)6/11、NYダウ+929ドル高、50,848ドル
 2)6/12、NYダウ+353ドル高、51,202ドル

【前回は】相場展望6月11日号 米国株: 超大型IPOの上場と金利高のなか、米国株が上昇波に戻るか? 日本株: 超大型IPO上場で、日本株売り⇒米国に資金流出、日経平均?

●2.米国株: (1)超大型3銘柄のIPO(2)イラン戦闘終結「不完全な合意」後の相場に注意

 1)イーロン・マスク氏のスペースXが6/12、ナスダックに上場⇒相場の転換点可能性
  ・超大型3銘柄の株式公開(IPO)が、株式相場の転換点になった過去がある。そのため、この株価急伸の「宴」の終わりに身構えることも検討したい。

 2)米国・イラン合意に不透明感『核に触れず』
  ・トランプ流の「良いところだけの合意」発表で、単なる世論工作の可能性あり。不都合な点は隠して、良いところに焦点を合わせた発表は、トランプ氏の特徴である。
  ・そもそも米国のイラン攻撃は、イランの核放棄を狙ったもの。肝心の核問題をスルーした「合意」は、爆弾を抱えた「部分合意」にすぎない。
  ・今後、明らかになる合意内容を見極めたい。

●3.トランプ氏「合意成立」と6/15発表、イランも「最終決定」、戦闘終結へ(朝日新聞)

 1)正式な署名式典は6/19にスイスで開くとしている。

 2)トランプ米国大統領は直後、SNSに投稿。
  「成立した」「皆さん、おめでとう」とつづった。「ホルムズ海峡の無償通航と、米軍による封鎖の解除を承認する」と主張し、「世界の船はエンジンを始動し、石油を供給せよ!」と述べた。

 3)イランの国家安全保障最高評議会事務局は6/15、イランメディアを通じて「最終決定」を発表した。これに基づき、レバノンを含むすべての戦線での軍事行動は即時終了し、米国によるイランへの海上封鎖もただちに解除されるとしている。覚書の最終決定は6/14夜だったという。イランのガリブアバディ外務次官も同様の声明を出し、正式な署名は6/19にスイスで予定されていると述べた。

●4.中東和平の覚書案、イランに有利な内容か、トランプ氏は報道を批判(ロイター)

 1)覚書の説明には若干の相違はあるものの、いずれも数ヵ月にわたる交渉でイラン側が提示した主要な条件を受け入れる一方、米国側の重要な要求は除外されている形となっている。

●5.スペースXがナスダックに6/12上場、時価総額1.96兆ドル,終値160.95ドル、公開価格135ドル

 1)IPOでは約5億5,555万株を発行し、過去最大となる750億ドルを調達。(ロイター)
 2)6/12の取引終了時点における時価総額は、2兆1,000億ドル(約336兆円)。

●6.イラン攻撃中止表明で、買い注文広がる(NHK)

●7.米国5月生産者物価指数(PPI)は+6.5%上昇しインフレ圧力強まる  (ブルームバーグ)

 1)2022年11月来で最高に達した。
 2)生産者物価指数
            5月    4月    4月⇒5月
   生産者物価指数  +6.5%高 +5.4%高 +1.1%高  
   コア指数     +4.9   +4.5   +0.4  :食品・エネルギー除く

●8.米国先週新規失業保険申請件数は前週比+0.4万件増の22.9万件(ザイX)

●9.トランプ米国大統領がイラン攻撃を警告(ザイFX)

 1)我々はイランの石油、天然ガス産業やカーグ島を把握する。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)6/11、上海総合▲6安、3,987
 2)6/12、上海総合+44高、4,031

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)6/11、日経平均+38円高、64,217円
 2)6/12、日経平均+1,802円高、66,020円

●2.日本株: イラン戦闘「部分合意」にしては、6/15の日経平均は上げ幅が大きい

 1)米国・イランの戦闘終結報道で、6/15日経平均3,5 00円超上昇し6万9,000円突破
  (1)原油先物価格が一時、1バレル=80ドル台付近まで下落。
    ・WTI原油先物価格の推移
       2/27 67.02ドル  イラン攻撃前日
       4/06 113.06
       6/03 96.20
       6/12 84.23
       6/13 81.01   イラン戦闘終結合意発表

  (2)WTI原油価格の下落幅は小さく、「合意」について慎重な受け止めとみる。なお、イランによるペルシャ湾岸諸国の原油・ガス設備の攻撃で損傷しており、完全復旧には時間がかかる。復旧のため、原油価格の高止まりも避けられない。それにしても、6/13の下げ幅は小さい。これは、合意について懐疑的な見方があるためと思われる。

  (3)WTI原油先物は、昨年12/16に55.27ドルを付けていた。したがって、6/13の原油価格は「模様眺め」の位置にある可能性がある。

 2)6/15前場終値は+3,576円高も、寄与上位10銘柄で+2,734円押し上げた
  (1)寄与上位10銘柄で、日経平均上昇幅の76.1%を占めた。
  (2)寄与上位10銘柄の内訳
   ソフトバンクG、東京エレクトロン、アドバンテスト、イビデン、キオクシア、TDK、村田製作所、太陽誘電、レーザーテック、ファナック。すべての銘柄が、人工知能(AI)・半導体関連銘柄である。

 3)「部分合意」にしては、6/15の日経平均は上げ幅が大きい
  (1)海外短期投機筋の暗躍が、日経平均を必要以上に押し上げたとみる。
   ・最近2週間の海外投資家は日経平均先物を売り越ししている。
   ・このため、海外短期投機筋が日経平均を買い続けると思わない方が良い。

  (2)海外短期投機筋は、年初から6/5までに約10兆3,904億円も買い越ししている。
   ・直近2週間の売り越し後での買い越し額である。

  (3)過去の先物買い越し額からみても、大きすぎる。
   ・このため、いつ売り越しに転じてもおかしくない。
   ・外国人投資家の大幅売りに備える時期にきているかもしれない。

 4)値下がり・値上がり銘柄数からみると、日経平均の内容は「弱い」
   ・      値上がり数 値下がり数  日経平均
     6/11     538    987   +  38円高
     6/12     964    555   +1,802円高
   ・一部銘柄の人工知能(AI)・半導体関連が主導した日経平均の上昇であるため、いつかは打ち止めとなる。

 5)日経平均寄与上位5銘柄の状況
  (1)6/11、日経平均+38円高、寄与上位5銘柄+388円高、占有率10.21倍
   ・寄与上位     寄与額    上昇率    株価上昇幅
    東京エレクトロン +158円高  +2.54%高  +1,570円高
    キオクシア    +116    +7.01    +4,940
    イビデン     +54    +4.66    +810
    太陽誘電     +33    +6.23    +975
    信越化学     +27    +2.43    +163
     合計      +388円高

  (2)6/12、日経平均+1,802円高、寄与上位5銘柄+1,361円高、占有率75.52%
   ・寄与上位     寄与額    上昇率    株価上昇幅
    アドバンテスト +519円高  +8.54%高   +2,150円高
    東京エレクトロン+463    +7.26     +4,600
    ファーストリテイ+165    +2.61     +2,050
    キオクシア   +135    +7.64     +5,760
    ソフトバンクG +79 +1.54     + 98
     合計     +1,361円高

●3.中東和平への期待で6/12、株価大幅上昇、キオクシアが時価総額で首位に(FNN)

●4.信越化学、レアアースで3ヵ所目の精錬設備を福井県内で建設へ、供給網を強化(朝日新聞)

 1)信越化学は、レアアースの16種類の元素を取り出す技術を持ち、精錬能力は国内でトップクラス。国の補助金の活用も念頭に置く。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・2413 エムスリー   業績堅調
 ・5929 三和      業績堅調
 ・9468 KADOKAWA    業績好調

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