PBシステムズ Research Memo(8):下期は4つの重点施策を推進し、売上高30億円台の回復を目指す(2)

2026年6月11日 11:08

*11:08JST PBシステムズ Research Memo(8):下期は4つの重点施策を推進し、売上高30億円台の回復を目指す(2)
■ピー・ビーシステムズ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0444700?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><4447></a>の今後の見通し

(2) エモーショナルシステム事業
戦略1:MetaWalkers
イベントを中心に引き合いが増えるなか、年間10件以上の防災イベント出展を目標に掲げ、それをトリガーとした本体販売を目指している。現在、自治体の防災センター向けシアターリニューアル案件の見積もりを提出しており、結果待ちの状態である。また、「MetaWalkers」をメタバース空間や3Dシミュレータのアウトプット装置として利用することで、複数人が同時に体験可能な環境を構築する手法を開発した。建設中の施設などの完成予想VRを複数人で体験できるデモコンテンツを制作中で、既に自治体や建設業界にアプローチを開始している。ほかにも、ベンチャー企業と連携し、XR(Extended Reality)技術により360度シアターの特長を活かした参加型アトラクションの構想も進めている。

戦略2:MetaAnywhere
2025年9月期にリリースした「MetaAnywhere」は、プロジェクションマッピングのアイデアに近く、180度や270度、あるいは壁面など、設置環境に応じた柔軟な投影角度に対応できる点が最大の特徴で、簡易設置が可能なモジュール構造と高演出性を両立したカスタマイズが可能な空間演出ソリューションである。大規模なハードウェア提供を伴わず、ほとんどがシステム構築となるため高い利益率が期待できる。2025年9月期に受注した大型アトラクション案件は、企画から機器設置、コンテンツ制作まで総合プロデュースを提供した。この案件は計画どおりに進捗しており、リリース間近となっている。この実績を糧に、顧客の目的や課題を起点にしたソリューション提案を推進し、より高付加価値なVR空間の提供を推進していく。2026年9月期には中規模アミューズメント施設向けのインタラクティブコンテンツや、学術機関向け大型スクリーン、小型映像制作案件2件受注の実績がある。今後も規模やテーマにかかわらず、上映設備に加え映像制作まで含めた総合プロデュースの提案を強化する。特に小型映像制作案件については、計5件の受注を目指す。エモーショナルシステム事業の黒字化、そして一段の成長を促す強力なツールとなるか注目したい。

戦略3:企業・自治体向けメタバース
同社は、仮想空間の最も有効な活用法を、現実に存在しない状況を体験できる場の提供にあり、顧客満足度の向上につながると考えている。2026年9月期は、製造業での実際の事故体験を基盤に、メタバース空間で、指導官が設定した事故シナリオに対する参加者の行動を録画データから分析できる、PoC案件を進めている。顧客企業は安全確保のためにメタバースの有用性を十分認識しており、さらに製造業の安全教育は法制度(労働安全衛生法)で義務付けられ、毎年更新の必要があることから、同社は横展開できれば労働環境安全確保の観点から継続的な需要となると見通しているようだ。なお、同案件の本格展開では1案件につき数千万円規模を予想している。ほかにも、住宅販売でのメタバース需要を睨み、点群データを活用して住宅施設やインフラ環境を再現する仮想空間の構築に向けた技術検証に着手した。また、メタバースを短時間で構築可能な新ソリューション「メタバースビルダー」を展示会に出展した。これまでリーチできていなかった小規模・低予算案件の需要を確実に取り込むべく、構築コストを数百万円程度に抑えたモデルの展開を強化している。足元では、教育関連でコミュニケーション関連の課題解決を目的とした引き合いが出てきているもよう。

2. 中長期の成長戦略と進捗状況
同社は、足元で活発な議論が進んでいる東証グロース市場改革案や株式市場の環境変化に対応し、なおかつ一段の成長意欲を対外的に示すべく、「2030年9月期までにROE30%を達成、維持継続」を新たなKGIとした。「稼ぐ力の増強」と「株式価値向上」を念頭に置いたものであり、新KGI達成のため「資本政策の強化と株主還元の向上」「成長戦略への積極投資」の2つの施策を展開していくことで、持続的な成長を実現する方針である。なお、同社の2025年9月期のROEは6.6%(前期比12.4ポイント減)、参考までに2025年3月期の東京証券取引所の情報・通信業のROE平均値は、プライム市場が10.6%(同2.3ポイント増)、スタンダード市場が10.8%(同0.7ポイント増)、グロース市場が5.8%(同1.5ポイント減)(日本取引所グループ)となる。

2026年9月期第1四半期に、KGI達成を目指すにあたり、営業活動の成果として「受注金額」を、生産効率指標として「エンジニアの売上稼働率(エンジニアの年間総稼働時間に占める売上案件の年間総稼働時間の割合)」をKPIに設定した。2026年9月期中間期について、「受注金額」は、半導体部材不足に伴うハードウェアの納期遅延影響を受けながら、メーカー深耕や市場規模の大きい首都圏開拓など幅広く営業活動を実施し、前年同期比31%増の1,383百万円を達成した。2026年9月期計画に対し43.5%の進捗となる。2026年6月に予定するエンジニアのセールスエンジニアへのコンバートにより、受注金額の拡大を加速するだろう。「エンジニアの売上稼働率」は、若手エンジニアの早期戦力化で対応案件数が増加した結果、2025年9月期から10.7ポイント増の65.4%となった。2026年2月時点では2026年9月期目標の70%を達成し、さらなる内製比率の向上が進んでいる。営業と技術が相乗して成果を生み出しているようだ。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)《HN》

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