NISA口座2,826万でも広がる「活用格差」 30代70.7%、80代24.7%の現実
2026年6月10日 09:31
【今回のニュースのポイント】
・NISA口座数は2025年12月末で約2,826万、累計買付額は約71兆円に達した。だが、活用度には世代差がある
・日本経済新聞の分析によると、2024年の稼働率(年間1度でも買付があった口座の割合)は全体62.0%、30代70.7%、80代以上は24.7%だった
・現役世代は、自分の世代の数字を起点に積立額や資産配分を定期的に点検することが、長期的な資産形成の鍵となる
金融庁が2026年2月18日に公表した「NISA口座の利用状況調査(令和7年12月末時点・速報値)」によると、2025年12月末時点のNISA口座数は約2,826万、累計買付額は約71兆円に達した。前年比で口座数は約10%、累計買付額は約34%の増加だ。
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政府は2027年12月末までに口座数3,400万・買付額56兆円を目標として掲げているが、買付額はすでに目標を超過し、口座数も達成率約83%と前倒しのペースで推移している。
■活用度には世代間で差が
ただし、口座数が拡大する一方で活用度には差が生まれている。
日本経済新聞が2025年8月27日に公開した分析によると、2024年に1度でも買付があった口座の割合(稼働率)は全体で62.0%だった。
30代が70.7%と最も高く、40代68.8%、50代66.9%が続く。これに対し、70代は48.2%、80代以上は24.7%にとどまり、前年比4.0ポイント低下した。高齢層ほど活用が進んでいない。
こうした高齢層の活用度の低さを背景に、制度面で議論されたのが高齢者向けの「プラチナNISA」だ。
2025年4月、自民党の資産運用立国議連が首相に提言したが、同年12月公表の令和8(2026)年度税制改正資料には、高齢者限定の独立制度としての創設は盛り込まれていない。
資産を増やす局面だけでなく、取り崩しや保全を視野に入れた商品設計や提供体制をどう整えるかが、NISA全体の課題として残されている。
■年代や生活設計に合わせた活用を
NISAは制度として大幅に拡充されたが、活用は利用者の年代や生活設計に左右される。
現役世代にとっては、活用度が高いからこそ、長期・積立・分散の考え方に立ち戻ることが意味を持つ。金融庁はこの考え方を、資産形成の基本として繰り返し示してきた。
口座開設はゴールではない。自分の世代の数字を起点に、積立額や資産配分を定期的に点検することが、長期的な資産形成を続けるうえで重要となる。