アップル・OpenAI訴訟:xAIによるメール開示阻止の申し立てを却下 マスク氏の複数社メールが証拠開示の対象へ

2026年6月4日 16:52

米連邦地裁のマーク・ピットマン判事は、イーロン・マスク氏のテスラおよびSpaceXのメールアカウントを、アップルとOpenAIを相手取った独占禁止訴訟の証拠開示(ディスカバリー)手続きから除外するよう求めたxAIの申し立てを退けた。

マスク氏が複数の企業アカウントを業務に横断的に使用してきたとみられることが根拠とされており、これにより関連メールの開示手続きは継続されることになる。生産期限はまだ定まっておらず、xAI側は裁判所命令が確定次第、応じるとしている。

■訴訟の背景:アップルとOpenAIへの反競争的行為の申し立て

本件の中心にあるのは、マスク氏がアップルとOpenAIに対して起こした訴訟だ。アップルによるApp Storeのランキング操作や、SiriおよびApple IntelligenceへのChatGPT統合に関して、反競争的な行為があったとマスク氏は主張している。

■証拠開示の範囲をめぐる法廷での攻防

この問題が本格的に争点となったのは、ハル・R・レイ・ジュニア連邦治安判事(United States Magistrate Judge)の審理においてだ。アップル、OpenAI、X、xAI各社の法務チームが、証拠開示の範囲をどこまで広げるべきかについて激しく議論した。

レイ判事はすでに、アップルの幹部クレイグ・フェデリギ氏を文書管理者として指定するよう求めるXおよびxAI側の申し立てを認めており、SiriへのGemini統合に関するアップルとグーグルとの契約に関する文書の提出もアップルに命じていた。さらに別の裁判所命令では、マスク氏のテスラとSpaceXのメールアカウントの検索を認めるOpenAI側の主張も支持。各社のコミュニケーションが訴訟に関連する可能性があるとの判断だ。

■複数社メールの業務利用が証拠開示の根拠に

裁判所は、テスラとSpaceXのメールアカウントがxAIの管理・支配の外にあるとするxAI側の主張を退けた。レイ判事は、マスク氏の業務上のやり取りが複数の企業組織にまたがることを示す証拠に言及した。
9to5Macの報道によれば、審理中に示された事例のひとつとして、xAIのCFOが社内の財務情報をマスク氏のSpaceXメールアカウントに送付していたとされる社内メールの存在が挙げられた。これはマスク氏が日常的に非xAI系のアカウントを公式の業務目的に使用しているというOpenAI側の主張を裏付けるものだとされた。

ピットマン判事はこの判断を支持し、マスク氏がテスラおよびSpaceXのメールアカウントを通じてXおよびxAIに関連する業務を行っているとみるに足りる証拠があるとして、それらのアカウントが連邦証拠開示規則の対象となると結論づけた。

■証拠開示の一時停止申請も退けられる

レイ判事の命令を受け、xAIとXは異議申し立てを行い、証拠開示手続きの一時停止を求めた。しかしピットマン判事はこの申し立てを退け、停止申請を却下、メールの開示手続きを継続するよう命じた。
判事は書面による命令の中で、マスク氏が複数の組織で経営トップを兼任しているという重複した役職関係が、より広範な証拠開示の根拠となると強調した。また、経営幹部が外部または関連会社のアカウントを業務に使用した場合、その口座を正式に所有する組織がどこであるかにかかわらず、当該文書を提出する義務があるとも述べている。

■提出期限は未定、xAIは命令確定後に対応の意向

裁判所はこれらのメールが証拠開示の対象範囲に含まれると確認したものの、具体的な提出期限はまだ設定されていない。
これに先立つ申立書類の中でxAIは、データの取得に一定の時間を要すると説明しつつ、裁判所命令が確定し次第、これに従う意向を示している。

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