相場展望6月1日号 米国株: 米国・イラン「停戦一時交渉の最終判断」に期待して米国株上昇 日本株: 割安感ある電子部品分野に物色が広がり日経平均を押し上げた
2026年6月1日 11:10
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)5/28、NYダウ+24ドル高、50,668ドル
2)5/29、NYダウ+363ドル高、51,032ドル
【前回は】相場展望5月28日号 米国株: イラン和平の期待が強く株高だか、原油市場は「懐疑的」 日本株: イラン攻撃以降、日経平均はNYダウと比べ、「はしゃぎすぎ」
●2.米国株: 米国・イラン「停戦一時交渉の最終判断」に期待して米国株上昇
1)トランプ氏の米国・イラン合意への「最終判断」に期待した買いで米国株上昇
・(1)トランプの面子と(2)イラン人が持つ粘着性の高い交渉術、国体維持の高い意識で、交渉の長期化は避けられない。
・イランでも食料品価格が急騰し、国民の不満は高まっている。このため、イランの体制派は難しい国家運営を求められている。
・米国株式市場は良いところにフォーカスした動きをする。楽観的が特徴の株式市場。ただ、注意が必要なのは「一時停戦の交渉」段階に過ぎない。それだけに慎重な情勢判断が求められる。
2)ペルシャ湾の原油・石油・ガスがホルムズ海峡を戦闘前の状況に戻るには長期間を要する
・通常回復に長時間を要する要因
・機雷の掃海
・滞留船舶の海峡通過と、ペルシャ湾に入る船舶の均衡
・攻撃で破壊された石油施設の復旧
・停止した原油生産井戸の復旧
以上の困難な活動を経ないと、通常運営に戻れない。設備復旧は1年以上掛かると思われる。それまでは、原油価格の高止まりは続くと思われる。
・原油価格高止まりによる物価高も継続する。各国のインフレは高止まりするだろう。各国の経済後退は避けられない。株式市場はそのような悪条件は織り込んでいない点に留意したい。
3)原油・金利の低下も米国株上昇にとって追い風
(1)原油先物価格が下落基調
・WTIが5/29、1バレル=86ドル台前半まで下落。
(2)金利が低下
・金利の推移
2年物債券 10年物債券
5/18 4.046% 4.592
5/29 4.002 4.436
低下率 ▲1.087%低下 ▲3.39%低下
●3.米国・4月個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比で+3.8%上昇(共同通信)
1)4月コアPCE価格指数は前年比+3.3%、予想+3.3%と一致。(フィスコ)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)5/28、上海総合+4高、4,098
2)5/29、上海総合▲30安、4,068
●3.中国5月の景況感、指数が節目の50.0に悪化、原油価格の高止まりが影響(TBS)
1)通信や電子機器の生産が拡大した一方、石油・化学繊維・プラスチックを扱う産業が低調だったことが背景にある。
2)中東情勢の混乱が続くなか、原油価格が高止まりして、中国経済の先行きに対する不透明感が強まっている。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)5/28、日経平均▲306円安、64,693円
2)5/29、日経平均+1,636円高、66,329円
●2.日本株: 割安感のある電子部品分野に物色範囲が広がり日経平均を押し上げた
1)日経平均寄与上位
(1)5/27、日経平均▲306円安、寄与上位5銘柄▲408円安、占有率133.33%
・寄与上位 寄与額 下落率 株価下落幅
アドバンテスト ▲191円安 ▲2.91%安 ▲790円安
ソフトバンクG ▲118 ▲2.02 ▲147
イビデン ▲46 ▲3.35 ▲685
ファナック ▲28 ▲2.08 ▲170
フジクラ ▲25 ▲2.39 ▲123
合計 ▲408
・上昇寄与した銘柄は、TDK+95円高、太陽誘電+63円高、村田製作所+58円高などである。
(2)5/28、日経平均+1,636円高、寄与上位5銘柄+1,095円高、占有率66.93%
・寄与上位 寄与額 上昇率 株価上昇幅
ファーストリテイ +318円高 +5.04%高 +3,950円高
ソフトバンクG +294 +5.14 +366
イビデン +219 +16.51 +3,260
TDK +157 +8.22 +312
キオクシア +107 +7.46 +4,570
合計 +1,095円高
・買い銘柄の流れが、今までのAI・半導体関連銘柄から周辺の電子機器に移る。特に、イビデン+16.51%高、村田製作所+12.73%高が目立つ。割高感の薄い銘柄に買いが向かった。割高感の強いAI・半導体関連株から割高感の薄い周辺銘柄に買いが移り、買いが膨らんだ。5/27には、従前に買われていたアドバンテスト、ディスコが売られた。
2)株式市場に記録的な膨大な資金が5/8に流入した
・株式売買金額・売買株式数が5/18~27と比べて5/28は急増した。
5/18~27 ⇒ 5/28
売買高・・・ 8~12兆円 ⇒16.3兆円
売買株数・・23~27億株 ⇒40.0億株
3)新高値・新安値銘柄数は、日経平均の動き比べて、弱い状況が続いている
・値上がり・値下がり、新高値・新安値銘柄数の推移
値上がり 値下がり 日経平均 新高値 新安値
5/27 767 747 ▲306円安 46 77
5/28 938 585 +1,636円高 112 34
・特に、5/28の値上がり・値下がり銘柄数からは、日経平均の大幅高を裏付けられない。日経平均への寄与度が高い少数の銘柄が買われた結果と思われる。
・AI・半導体関連のなかで、割安感のある電子部品分野に資金が向かったのが特徴。
4)海外投資家は5/28前場に売り越しに転じたが、後場以降は買い戻しに転換
・5/28の状況
前日5/27終値 64,999円
5/28 始値 64,770
安値 63,875
高値 65,175
終値 64,693
・米国・イランの軍事攻撃の応酬があり、投資家心理を冷やした。このため、海外投機筋が株価先物売りを急いだため、日経平均は▲1,124円安と売り込まれた。売り一巡後、海外投機筋による(1)押し目買い(2)売り方の買い戻しがあったため、日経平均は▲306円安まで下げ幅を縮めた。
・5/29の状況
5/29 始値 65,133
安値 65,133
高値 66,505
終値 66,329
・現物株は人工知能(AI)向けデータセンター需要が期待され、割安感のあるイビデンや村田製作所など電子部品分野に買い資金が流入し、日経平均を押し上げた。
5)日経平均は最近、2日間で流れに変化が生じているため、慎重に見極めたい
・特に、SQ清算日を6/12朝に迎える。そのため、6/10までは堅調に推移すると思われる。
・6/12寄り付き以降の相場が変調を迎える可能性もあるため、注意深さが求められる。海外短期投機筋の動向に注目したい。
●3.ソフトバンクG、仏でAIデータセンター事業、欧州初、最大14兆円投資(共同通信)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・2607 不二製油 業績好調
・2801 キッコーマン 業績堅調
・7733 オリンパス 業績好調
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