アイフリークモバイル、26年3月期は黒字転換、27年3月期は保守的予想もDX事業統合で収益改善基調に期待

2026年5月28日 07:56

 アイフリークモバイル<3845>(東証スタンダード)は、知育アプリなどのコンテンツ事業、およびシステム受託開発や人材派遣などのDX事業を展開している。成長戦略として同社の強みである知育アプリ、絵本・IPコンテンツなどの資産を活かすとともに、AIの活用を強化している。なお27年3月期より、セグメント区分をDX事業へ統合(ITエンジニア派遣・受託事業等、電子絵本サービス等の企画・制作・運営およびAIコンテンツ制作、キャラクターの企画・制作等)する。26年3月期は従来の赤字予想から一転して黒字転換での着地となった。販管費抑制効果などが寄与した。また27年3月期は営業・経常赤字予想としているが、やや保守的だろう。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は4月の高値圏から反落してモミ合う形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■コンテンツ事業とDX事業を展開

 電子絵本アプリや知育アプリなどのコンテンツ事業、およびシステム受託開発や人材派遣などのDX事業(25年3月期よりコンテンツクリエイターサービス事業の名称を変更)を展開し、AIの活用を強化している。また経営の合理化および組織運営の効率化を図るため、24年4月に子会社アイフリークスマイルズを吸収合併、24年10月に子会社I-FREEK GAMESを吸収合併した。

 なお27年3月期第1四半期より、セグメント区分をDX事業へ統合(ITエンジニア派遣・受託事業等、電子絵本サービス等の企画・制作・運営およびAIコンテンツ制作、キャラクターの企画・制作等)する。

 26年3月期の旧区分によるセグメント別業績は、コンテンツ事業の売上高が36百万円で営業利益(全社費用等調整前)が6百万円の損失、DX事業の売上高が18億29百万円で営業利益が2億61百万円だった。

■コンテンツ分野は知育アプリなど

 コンテンツ分野は、デコメ・絵文字・スタンプ・壁紙などのデジタル素材「デココレ」や、知育アプリ「あそびタッチ」などの低年齢層向けファミリーコンテンツなどを展開している。なお電子絵本アプリ「森のえほん館」については25年7月31日をもってサービスを終了した。デジタルコンテンツは、クリエイター支援WEBサイト「CREPOS」によって約1万人の外部登録クリエイターを組織化し、20万点以上のデジタル資産を有している。

 24年1月には、レジャー・エンターテインメント施設向けソリューションを提供するORIGRESS PARKS(東京都)の第三者割当増資を引き受けて資本業務提携した。クリエイターネットワーク「CREPOS」と、ORIGRESS PARKSのレジャー・エンターテインメント施設ネットワークを活用し、24年4月より共同事業として、エンターテインメント施設向けキャラクター活用サービスI-FRESS(アイフレス)を開始した。

 24年7月には子ども向け絵本専門YouTubeチャンネル「ポポキッズ」において画像生成AIを活用したデジタル絵本動画「世界が終わる前に」の配信を開始した。25年2月には「ポポキッズ」のチャンネル登録者数が12万人を突破した。

 25年8月には、レオス・キャピタルワークスと未就学児向けの投資の基本を学べる絵本「ありがとうをつたえたら」を制作し、YouTubeチャンネル「ポポキッズ」で配信開始した。25年10月には「ポポキッズ」の人気絵本4作品について、大日本印刷(DNP)と共同でアニメーション動画にした「ライトアニメⓇ」を制作し、Netflixにて国内独占配信を開始した。

 25年11月には、みずほフィナンシャルグループの金融経済教育につながる絵本「ひらめきモモタロウ~お金と知恵で解決!?鬼カ島の改造計画~」の制作と全国の小学校(約3000校)への寄贈に関するサポートを行った。

 25年12月には「持続可能な食と農をアグリテインメントな世界へ」をビジョンに掲げて農と食民主化を目指すソーシャルインパクトスタートアップのプランティオ社(東京都)およびアイティフォー<4743>と、リアル連動型ソーシャルAI栽培アプリ「grow β」の共同開発を発表した。都市農(アーバンファーミング)をゲーム感覚で楽しみながら、栽培から料理までを一貫してAIでサポートする。

 また25年12月には、一般社団法人ALLIANCE FOR THE BLUEに協賛企業として参画し、海の豊かさを守ることの大切さを描いたデジタル絵本2作品を共同制作し、同社YouTubeチャンネルで配信した。また、あすたむらんど徳島のプラネタリウム施設において行われた親子向けイベント「クリスマスキッズアワー」で、同社の絵本「サンタさんのいちねんかん」が利用された。

 26年3月には、東海理化が提供開始するスマートフォンアプリ「FamiCa-かぞくのドライブサポートアプリ-」に、同社のデジタル絵本作品が採用された。

■DX分野はシステム受託開発や人材派遣など

 DX分野は、WEBコンテンツ制作・システム受託開発、人材派遣などを展開している。22年10月には、NHN JAPANグループのNHN テコラス社が提供する「テコラス パートナープログラム」に参画した。NHN テコラス社は日本に12社しかないアマゾン ウェブ サービス(AWS)の最上位プレミアティア サービスパートナーとして、AWSを中心としたITインフラ総合支援サービスを提供している。NHN テコラス社が提供する多様なサービスを活用することでビジネス拡大を推進する。

■成長戦略

 成長戦略として、コンテンツ事業では同社の強みである知育アプリ、絵本・IPコンテンツなどの資産を活かし、生成AIなどの新たな技術も掛け合わせた教育コンテンツ(プログラミング等)を強化する。DX事業では生成AI、データサイエンス、クラウドコンピューティングなど、専門領域に特化したエンジニアの育成を進めながら商流改善を行い、高単価案件の獲得を推進する。そしてDX事業を基盤として、コンテンツ事業の収益化により永続的成長を目指す。

 なお26年3月には、J2リーグサッカークラブ「ジュビロ磐田」とのスポンサー契約を継続した。地域社会やスポーツの発展に向けた支援の輪を一層広げる。

■26年3月期黒字転換、27年3月期営業・経常赤字予想だが保守的

 26年3月期の業績(非連結)は売上高が前期比6.9%減の18億65百万円、営業利益が29百万円(前期は61百万円の損失)、経常利益が32百万円(同50百万円の損失)、当期純利益が43百万円(同1億10百万円の損失)だった。

 売上面は減収だが、利益面は従来の赤字予想から一転して黒字転換での着地となった。販管費抑制効果などが寄与した。前回予想(25年5月15日付の期初公表値、売上高18億16百万円、営業利益60百万円の損失、経常利益63百万円の損失、当期純利益63百万円の損失)に対して、売上高は49百万円、営業利益は89百万円、経常利益は95百万円、当期純利益は1億06百万円、それぞれ上回った。

 コンテンツ事業は売上高が58.9%減の36百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が6百万円の損失(前期は42百万円の損失)だった。経営資源を「ポpキッズ」や「Netflix」など成長分野へ集中させる戦略で「森のえほん館」サービスを終了(25年7月末)した影響により減収だが、保守運用コストが減少して営業損失縮小した。

 DX事業は売上高が2.7%減の18億29百万円で、営業利益が15.2%増の2億61百万円だった。25年4月より組織の一本化を実施し、新たな事業推進体制のもと、生成AI・データサイエンス・クラウドなどの専門領域に特化した人材育成を進めながら、高単価案件の獲得および高水準の稼働率維持を推進した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高4億91百万円で営業利益7百万円、第2四半期は売上高4億69百万円で営業利益3百万円、第3四半期は売上高4億63百万円で営業利益1百万円、第4四半期は売上高4億42百万円で営業利益18百万円だった。

 27年3月期の業績(非連結)予想は、売上高が前期比10.5%減の16億70百万円、営業利益が11百万円の損失(前期は29百万円)、経常利益が13百万円の損失(同32百万円)、当期純利益が97.7%減の1百万円としている。

 なお経営資源の最適配分と意思決定の迅速化を図るため、コンテンツ事業DX事業を統合し、セグメント区分をDX事業へ一本化する。重点施策として、生成AI・データサイエンス・クラウドコンピューティングなどの専門領域に特化したエンジニアの育成を進めながら、商流改善によって高単価案件の獲得を推進する。またコンテンツ制作、IP活用、アプリ開発、生成AI実装を組み合わせたサービス提供体制の構築を推進する。また26年7月1日付で資本金の額の一部を減少し、その他資本剰余金に振り替える。純資産の部における科目間の振替処理であり、純資産の額に変動はなく、業績に与える影響もない。

 27年3月期は営業・経常赤字予想としているが、やや保守的だろう。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は4月の高値圏から反落してモミ合う形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。5月27日の終値は249円、前期実績PBR(前期実績のBPS43円56銭で算出)は約5.7倍、そして時価総額は約55億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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