米中首脳会談 台湾問題で譲歩引き出せず(2)【中国問題グローバル研究所】

2026年5月18日 10:32

*10:32JST 米中首脳会談 台湾問題で譲歩引き出せず(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「米中首脳会談 台湾問題で譲歩引き出せず 習近平「米中の建設的な戦略的安定関係」でトランプを逆縛り(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。


◆習近平が提唱する「米中の建設的な戦略的安定関係」から逸脱できないトランプ
トランプとしては、自分が最初に言った言葉に習近平が呼応してくれたのだから、そこから逸脱するわけにはいかない。トランプは習近平のこの提唱に同意している。

あの対中強硬派で知られるルビオ国務長官さえ、5月14日の会談後にNBCの取材を受け(※2)、「米中の建設的な戦略的安定関係」に米中が合意した趣旨のことを何度も言っている。

この合意を「今後3年間」あるいはそれ以上の中米関係の戦略的指針となる新定位を築くことと定義した習近平の言葉の意味は大きい。

「今後3年間」とは「トランプが大統領である期間」を意味する。

だからこそトランプはFOXニュースの取材やエアフォース・ワンの取材で、台湾に関して、結局は「独立させない」、そして「援軍に米軍を派遣しない」という趣旨の回答を表明したものと解釈できる。

その意味で結局のところ、トランプは自らが「米中G2構想に絡めて」言い出し、習近平が呼応した「建設的な戦略的安定関係」に逆に縛られているということが言えるのではないだろうか。

今年9月24日には習近平が訪中することになっているのだから、それまでは台湾への武器売却も難しいかもしれない。二人が会う機会はそれを含めて今年だけでもあと3回はある。

トランプは習近平が台湾への武器売却を嫌がっていることを以て、「いいディールの材料になる」とも言っているが、しかし米軍の武器は中国のレアアースやレアメタルがないと製造できない。

もし訪米までに台湾に武器売却すれば、習近平は訪米を取りやめることもできればレアアースなどの輸出を再規制することもできる。そうすればそもそも米軍は武器を製造できない。それはアメリカにおける11月の中間選挙に響くだろう。

トランプと習近平は、個人的には互いに尊敬してはいるが、「カード」は習近平の方がより多く持っている。それを痛感させる米中首脳会談であった。


この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※3)より転載しました。


米中首脳会談 歓迎式典(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://www.state.gov/releases/office-of-the-spokesperson/2026/05/secretary-of-state-marco-rubio-with-tom-llamas-of-nbc-news/
(※3)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1250a2ec6db761f5c23908c8fc87945dd2d184d3《CS》

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