フィットクルー:リカーリング収益積み上がり進展、ピラティス事業への参入も
2026年5月14日 16:44
*16:44JST フィットクルー:リカーリング収益積み上がり進展、ピラティス事業への参入も
フィットクルー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0469A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><469A></a>は、女性専用パーソナルトレーニングジム「UNDEUX SUPERBODY」を主力とするフィットネス企業だ。加えて、月額制パーソナルジム「UNDEUX SUPERBODY LIFE」、健康改善型パーソナルジム「Dr.plus Fit」、トレーナー養成スクール「プロジム」なども展開している。単なる短期集中型ジムではなく、継続利用型サービスや物販などを組み合わせたリカーリング型ビジネスへ移行を進めている点が特徴だ。女性専用ブランドに特化したブランディング力や集客力に強みを持ち、全国主要都市を中心に店舗展開を進めている。2026年11月期第1四半期末時点の店舗数は55拠点となった。
2025年11月期は、売上高2,920百万円(前期比19.0%増)、営業利益270百万円(同2.4倍)と大幅増益を達成した。新規出店に加え、既存会員の積み上がりによるリカーリング収益の増加が寄与した。特に、月額制サービスへの移行が進み、収益基盤の安定化が進展している。リカーリング収益比率は2025年11月期に51.6%まで上昇しており、単発契約中心のビジネスモデルから継続課金型への転換が進んでいる。フィットネス市場は競争が激しい一方、国内のフィットネス参加率は海外対比で依然低く、健康意識や美容意識の高まりを背景に市場拡大余地が残る点は追い風だ。
一方、2026年11月期第1四半期は、売上高731百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益11百万円(同67.4%減)となった。増収は維持したものの、利益は大幅減益となった。背景には、人材採用強化による人件費増加、上場関連費用、新規出店投資など先行投資負担がある。加えて、ブランド統合に伴う一時的な売上減少も影響した。ただ、既存店売上や会員数は順調に推移しており、短期的な利益低下は将来成長に向けた投資局面と位置付けられる。新規店舗は単月黒字化まで半年程度、投資回収は1~1.5年程度を想定しており、出店モデルとしては比較的回収期間が短い点も特徴だ。
今期会社予想は、売上高3,574百万円(前期比22.4%増)、営業利益172百万円(同37.1%減)としている。売上高は過去最高更新を見込む一方、利益面は先行投資負担が続く見通しだ。特に、ピラティス事業譲受による立ち上げ費用やのれん償却費が利益を圧迫する。ただ、女性向けという顧客層の親和性は高く、既存ジムとのクロスセルやLTV向上が期待される。物販拡大も進めており、プロテインや美容関連商品の販売強化による単価向上余地もある。ジム事業自体も継続課金型の側面が強く、会員積み上がりによる収益安定化が進む構造だ。
競合にはRIZAP系ジムや24時間ジム、女性向けスタジオなどがあるが、同社は「女性専用」、「パーソナル特化」、「継続型サービス」の3点で差別化している。特に、全国展開によるブランド認知度向上や広告効率化が競争優位性となっている。また、トレーナー養成スクールを持つことで、人材採用・育成面でも一定の優位性を持つ。フィットネス業界ではトレーナー確保が成長制約になりやすいが、内製化による育成体制を持つ点は中長期的な強みといえる。加えて、退会率は5~7%程度と比較的低水準で推移しており、顧客満足度改善や継続率向上余地も残る。
中長期では、UNDEUX SUPERBODYの地方都市展開、ピラティス事業育成、物販強化などが成長ドライバーとなる。特に月額制サービス比率の上昇は、収益の安定化と利益率改善につながる可能性が高い。現時点では成長投資優先で配当実施はないが、将来的には株主還元も検討するとしている。
同社は、女性向けフィットネス市場で独自ポジションを確立しつつある企業だ。短期的には先行投資負担による利益低下局面にあるが、継続課金型モデルへの転換や会員積み上がりが進めば、中長期では収益基盤の安定化と利益成長が期待される。《YS》