相場展望4月23日号 米国株: トランプ氏、中間選挙で不利強まる->レイムダック可能性高い 日本株: 4/22の日経平均上昇・東証株価指数下落は異様な市場偏向
2026年4月23日 16:41
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)4/20、NYダウ▲4ドル安、49,442ドル
2)4/21、NYダウ▲293ドル安、49,149ドル
3)4/22、NYダウ+340ドル高、49,490ドル
【前回は】相場展望4月20日号 米国株: 米国株は最高値水準、イラン戦闘は無かったようで不気味 日本株: 原油高・不足で日本経済後退も、日経平均は高値圏維持?
●2.米国株 : トランプ氏、中間選挙で不利な情勢が強まる⇒レイムダックの可能性高まる
1)トランプ氏、中間選挙で不利な情勢が強まる⇒レイムダックの可能性高まる
1. トランプ氏は大統領選挙で、(1)インフレ打破(2)戦争しない公約を掲げて勝った。しかし、(1)インフレは上昇(2)イランなど戦争を実施した。ガソリン価格はリットル当たり300円を超える給油所が出現してきた。トランプ減税は実感がなく、ガソリン価格の上昇で、家計を直撃している。結果、支持率37%・不支持率63%と昨年1月以来で最悪を記録した。有権者のトランプ離れが進んでいる。今年11月の中間選挙で民主党に下院で負け、上院も厳しくなってきた。特に、イラン戦争を契機に共和党の苦戦が目立ち始めている。インフレは中間選挙に向かって一段と上昇する確率が高くなっている。
2. トランプ氏は中間選挙対策として、イラン攻撃を一方的に停止する可能性が出てきた。イラン攻撃停止でも、ガソリン価格の高騰は広範な値上げを引き起こし、秋まではインフレ上昇が続くと予想する。金利も低下どころか、インフレ抑制のために金利上昇に追い込まれる。雇用は厳しくなる、企業は存続のため雇用に慎重になるためだ。米国民の不満はさらに高まる。イランはトランプ氏の足元の弱さをみて、強気な交渉で臨むことになる。米国民にとって、「米国敗戦」を実感するだろう。
3. ロシアのウクライナ侵攻で、米国・EUなど西側諸国はロシアへの制裁でロシア原油の輸入量・価格に制約を実行してきた。ところが、米国のイラン攻撃で米国ガソリン価格が急伸すると、トランプ氏はロシア産原油の販売を承認した。これは、ロシアのウクライナ戦争やイランへの支援につながる。さらに、西側諸国と米国との連携を弱める可能性がある。
4. ただでさえ、中間選挙はトランプ氏にとって不利な状況であるが、イラン戦争敗北の場合は、上下両院ともにトランプ共和党が負けるだろう。トランプ氏が「裸の王様」に気が付くのは6カ月後。議会で法案は通らなくなり、追加予算は否決される。「大統領罷免」案に恐れおののくことになろう。
5. 「トランプによる、トランプのための、トランプ演説とSNS外交」いつまで続けるのか?
・トランプ大統領は閣僚任命基準を、能力よりも、自身への忠誠度を軸に任命した。結果、最近だけで3人の閣僚の辞任という形をとった解任をした。
・結束を誇ったトランプ政権の亀裂が目立ち始めた。
・株式相場は、「トランプ発言とSNS」で振り回されてきたが、そろそろ「思い付き発言と節操のないSNS」離れをするのではないか?目を離せないようになってきた。
●3.トランプ氏、イランとの協議終了まで「停戦延長」、港湾封鎖は継続(ロイター)
1)イラン国会議長顧問「トランプ氏の停戦延長は、奇襲への「時間稼ぎ」の策略」
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)4/20、上海総合+30高、4,082
2)4/21、上海総合+2高、4,085
3)4/22、上海総合+21高、4,106
●2.中国の25~29歳の失業率が急上昇、労働市場の悪化とAI拡大が影響(ブルームバーグ)
1)25~29歳の失業率は3月に7.7%と、前年同月の7.2%から上昇。
2)16~24歳の失業率も17%近くに上昇し、全体も5.4%と1年ぶりの高水準だった。失業率は31の大都市で上昇した。
3)7億人超の労働力を抱える中国では、先月の失業率は予想外の上昇となり、賃金の伸びは2022年後半以来の低水準にとどまった。中東紛争によるエネルギー輸出の混乱や企業収益の圧迫が雇用に影を落とす。
●3.中国政府、外資系企業の工場海外移転の防止規制(ニューヨーク・タイムズ)
1)李強・首相は4/2、産業およびサプライチェーンの安全リスクを防止するための18項目の措置に署名し、施行した。
・規制当局は海外移転を進める企業を調査する際、従業員を尋問したり、企業側の記録を検討できる。
・中国に進出した多国籍企業が供給の見直しなどを理由に、中国国内から工場を他国へ移転することを防止する規則を設けた。
・他国への移転が疑われる場合、該当する企業や個人の中国からの出国を禁止できる。
2)中国国務院(中央政府)は、これらの措置が中国国家経済の安定と国家安全保障を守るために必要だと正当化した。
3)ニューヨーク・タイムズは「中国は国家機密情報が海外に流出するのを防ぐため、包括的な国家機密法を制定した」と解説した。
●4.中国軍の幹部の大量粛清、大幅に遅れて一部発表も残る多くの謎(RecordChina)
1)中国軍の「新たな大粛清」が始まったのは2年前で、これまでに少なくとも上将(大将)16人を含む約36人の解放軍からの全国人民代表大会の資格罷免された。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)4/20、日経平均+348円高、58,824円
2)4/21、日経平均+524円高、59,349円
3)4/22、日経平均+236円高、59,585円
●2.日本株 : 4/22の日経平均は上昇、東証株価指数の下落は異様な市場偏向を示す
1)4/20~21、市場の概要
・4/20 日経平均+348円高 上げ幅一時+693円高も終盤失速。海外短期筋が買
・4/21 日経平均+524円高 上げ幅一時+787円高も伸び悩む。海外短期筋が買
・4/22 日経平均+236円高 上げ幅一時+359円高も縮めた。 海外短期筋が買
2)日経平均寄与上位の状況
(1)4/20、日経平均+348円高、寄与上位5銘柄+374円高、占有率107.47%
銘柄 寄与度 前日比伸び率
ソフトバンクG +199円高 + 5.46%高
中外製薬 +50 +5.93
ファーストリテイ +48 +0.81
ファナック +46 +4.42
ダイキン +31 +4.34
合計 +374
・日経平均の上昇幅が寄与上位5銘柄で説明できるなど、少数の銘柄の貢献が目立った。
(2)4/21は略
(3)4/22、日経平均+236円高、寄与上位5銘柄+676円高、占有率286.44%
銘柄 寄与度 前日比伸び率
ソフトバンクG +353 +8.47%高
アドバンテスト +169 +2.57
TDK +63 +4.83
キオクシア +48 +6.29
イビデン +43 +6.06
合計 + 676
・ソフトバンクGの1銘柄で、日経平均の上昇+236円高を上回る+353円高だった。
・寄与上位5銘柄の合計上昇は+676円高と、日経平均の上昇額を+2.8倍超と異常な状況が発生した。
3)日経平均は上昇・TOPIXは下落と相場の「歪さ」が拡大
値上がり銘柄数 値下がり 日経平均 東証株価指数(TOPIX)
・4/20 647 862 +348円高 +16高
・4/21 516 1,010 +524円高 ▲6安
・4/22 236 1,302 +236円高 ▲25安
・日経平均は上昇も、値下がり銘柄割合が多く、個別銘柄全体としては弱含み。
値下がり銘柄数割合の推移
4/20 54.7%
4/21 64.1
4/22 82.7
・値上がり銘柄は日を追って減少、値下がり数は逆に増加し、相場の中身は変調してきた。
・日経平均上昇も、新高値銘柄数は減少・新安値銘柄数は増加と、弱気が目立つ展開となった
・ 新高値銘柄数 新安値銘柄数 日経平均
4/16 73 17 +1,384円高
4/17 44 30 ▲1,042円安
4/20 41 31 +348円高
4/21 50 59 +524円高
4/22 30 135 +236円高
4)株価指数4/20は、日経平均のみ上昇と目立つ
・株価指数4/20の状況
4/22
日経平均 +0.40%高
TOPIX ▲0.67%安
JPX日経400 ▲0.49%安
グロース250 ▲0.47%安
5)日経平均は下落が近い、海外短期投機筋次第の状況
・日経平均は史上最高値を更新したが、これは海外短期投機筋の腕力だった。だが、日経平均は史上最高値を上回り、日経平均6万円台に乗せると目標達成感が出てくる。
・海外短期筋に追随する国内勢は出てこない。むしろ売り圧力が強まっている。
・海外勢のなかから、利益確定の売りに転換する勢力が出てくる状況が出てくる状況がうかがえる。海外勢のなかで、ババ抜きの戦いとなれば、買い主導の相場はいつ破綻してもおかしくない。
●3.日本政府、アジア系投資ファンド・MBKパートナースに工作機械大手・牧野フライス製作所の買収計画を中止するように勧告、安全保障上の懸念(ブルームバーグ)
●4.家電量販大手ノジマ、日立の家電事業を1,100億円で買収、来年3月までに完了(テレ朝)
●5.3月の中国から日本へのレアアース磁石輸出、前月比▲17%減、軍民両用品の輸出禁止が影響か(FNN)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・4307 野村総合研究所 業績好調
・5929 三和 業績堅調
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