ビットコイン、6万3,000ドル台に下落 イスラエルと米国のイラン攻撃影響か
2026年3月1日 18:00
2月28日、ビットコイン(BTC)が急落し、一時6万3,000ドル台まで下値を切り下げた。前日比で約3%の下落となり、異例の値下がりとなた。イスラエルと米国がイランへの軍事攻撃を実施したとの報道が、リスクを嫌った投資家たちの売り注文を強く誘発した格好だ。
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今回の急落により、暗号資産市場全体の時価総額は約20兆円規模で目減りしたとみられる。この下落は、地政学的リスクが高まる局面でも取引可能な資産としてのビットコインの特性を、改めて浮き彫りにした格好だ。
元々が価格変動を起こしやすい構造であるうえ、株式市場や債券市場が休場中であっても、仮想通貨市場は24時間稼働しているなど、地政学的ショックを受けやすい構造にある。
■安全資産の地位に疑問符
かつてビットコインは金(ゴールド)と類似した価格変動を示すとして、インフレや地政学的不安定時におけるローリスクな資産として語られることがあった。
しかし足元では、その相関は薄れつつある。攻撃報道を受けて金価格が上昇基調を強める一方、ビットコインは大幅に値を下げた。既存資産と比べ、ビットコインへの信頼が十分に根付いていない現状が改めて示された。
■中東情勢が実体経済にも波及リスク
今回の攻撃は、イランへの軍事力展開が続く中で行われたものであり、中東における広範な地域紛争へと発展するリスクをはらんでいる。
実際、イランは国内に非常事態制限を発令するなど、現地情勢は緊迫した状態が続いている。また2026年のサッカーワールドカップからも撤退するという情報も出回っており、国内が平時の様子を保てていないことがうかがえる。
中東での紛争拡大は、原油供給の不安定化を通じてエネルギー価格を押し上げ、世界的なインフレを誘発しうる。今後も不安定な状態が続けば、仮想通貨市場にも影響が波及するのはもちろんのこと、株式・債券市場、ひいては世界経済そのものが混乱する可能性がある。(記事:庭田 學・記事一覧を見る)