12V〜48Vアプリの課題を解決! モータ市場の進化を支える最新ドライバIC
2025年12月14日 20:23
さまざまな産業でモータの重要性が高まっている。FA(ファクトリーオートメーション)、データセンターの冷却ファン、電動工具、そして自動車の電装化など、12Vから48Vクラスのアプリケーションでも幅広く利用されている。
モータ駆動システムが直面する課題として挙げられるのは、高効率化と発熱対策の両立だ。高密度なデータセンターなどの環境では、モータの駆動効率を極限まで高めつつ発熱を抑えることが、システムの長時間稼働や信頼性確保にも直結する。また、精密な動作が必要なFA機器などにおいては、モータ駆動によるノイズや振動を低減するためにも、高度な制御技術が必要だ。省エネ性能、小型化、高信頼性が強く求められるなか 、そのモータを駆動するモータドライバICにも高い性能が要求されている。
これまで12〜48Vクラスのアプリケーションにおけるモータ駆動では、MCUで3個のゲートドライバを制御するシンプルな構成が主流として用いられてきた。しかし近年は高効率かつ精緻な制御が必要になってきことから、MCUと一体型の三相モータドライバを組み合わせたソリューションの採用が加速している。一方で、三相モータドライバにおける技術的課題として、「消費電力の抑制」と「ノイズの低減」がトレードオフの関係にあり、両立が困難とされてきた。
そんな中、電子部品大手のロームが、モータドライバを含む各種ゲートドライバICの開発で培ってきた高度な回路制御技術を活かし、「消費電力」と「ノイズ」の双方を同時に抑制可能な新技術「TriC3™(トリックスリー)」を開発し、市場での存在感を強めている。ロームが開発した「TriC3™」は、ゲート電流を3段階に制御することで、高速かつ高効率な動作を実現するとともに、リンギングの抑制によりノイズの低減と安定した動作に貢献する、独自の段階制御定電流駆動技術だ。
今年10月に発表した三相ブラシレスDCモータドライバICの新製品「BD67871MWV-Z」は、「TriC3™」を搭載することで、スイッチング時のFET低消費電力化による発熱低減と同時に、リンギングの発生を抑制し低EMIも実現。定電流駆動の同社従来品との比較において、同等のEMIレベルでFETの発熱を約35%も低減できることを実際のモータで実証している。また、中耐圧の産業機器アプリケーション向けモータドライバICで多く用いられるパッケージ(UQFN28)と同じ端子配列を採用しているため、回路変更や新規設計時の工数削減に貢献する仕様だ。
モータは全世界の電力消費量の約60%を占めているといわれている。エネルギー効率の観点を含めた制御技術の高度化は、持続可能な社会の実現にとっても重要な関心事だ。ロームをはじめ、日本の高度な技術力がさらに存在感を高めてくれることを期待したい。(編集担当:今井慎太郎)
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