【どう見るこの株】ジェイフロンティア、SOKUYAKU登録拡大と価格改定効果で業績成長加速

2025年12月11日 08:23

■優待権利落ちを織り込み売られ過ぎ修正

 ジェイフロンティア<2934>(東証グロース)は、前日10日に17円高の1325円と反発して引け、前々日9日の取引時間中につけた株主優待制度の権利落ち後安値1304円から底上げした。株価は、権利落ちで400円超、20%超の大幅調整を続けてきたが、相場格言の「二割、三割(の高下)は向かう理と知れ」の通りに売られ過ぎ修正期待の打診買い買いが再燃した。今2026年5月期業績の連続増益予想やアジア地域へ事業展開を強化する成長戦略なども見直されている。

■「SOKUYAKU」の登録・利用が拡大し前期実施の価格改定も上乗せ

 同社の株主優待制度は、今年8月にリニューアルされ「ジェイフロンティア・プレミアム倶楽部」を新設し、同倶楽部のポイントを付与することに変更され、同社株式を400株から499株を保有する株主には5000ポイントが付与される。同ポイントでは、お米、ブランド牛などの6000円種類以上の商品から株主が選択可能となる。1ポイントは1円内外となり、最高利回りは5.6%以上になるケースも想定される。

 一方、今2026年5月期業績は、売り上げ236億円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費+無形資産償却費)10億1500万円(同12.7%増)、営業利益3億2700万円(同11.1%増)、経常利益2億4000万円(同3.7%増)、純利益1億円(同14.2%増)と続伸が予想されている。オンライン診療・オンライン服薬指導・処方薬配送をワンストップで提供するプラットフォーム「SOKUYAKU」のユーザーの登録・利用が順調に拡大し、前期実施のシステム利用の価格改定で利用単価は上昇し、D2C(EC・通販)事業では、主力製品の防風通聖散などの生漢煎シリーズの漢方が牽引することなどが寄与する。なおアジア地域への事業展開は、香港証券取引所に上場しているTycoon Group Holdingsのグループ会社のTYCOON JAPANと業務提携し、新たなD2Cブランドを共同創出し、同地域の46億6400万人をターゲットに企業価値の最大化を目指す。

■優待権利落ち後に400円幅の調整も25日線から18%のマイナスかい離と売られ過ぎ

 株価は、同時発表の今期第1四半期・第2四半期の黒字転換業績に全国初の医薬品のドローン配送に「SOKUYAKU」が利用されたことが続いて年初来高値2269円まで買い進まれ、トランプ関税ショックで1440円と大きく調整したが、前期業績の上方修正で2110円とリバウンドし、1700円台を下値とする300円幅のボックス相場を続け株主優待制度の権利取りで1860円と強含み1721円で権利を落とした。優待権利落ちとともに1304円安値まで400円超幅の調整をしたが、25日移動平均線からは18%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆している。まず優待権利落ち前の11月高値1860円の奪回に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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