為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、日米金利差縮小観測強まる
2025年12月6日 16:28
*16:28JST 為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、日米金利差縮小観測強まる
【今週の概況】
■ドル弱含み、日銀12月利上げの可能性高まる
今週の米ドル・円は弱含み。日本銀行の植田総裁は12月1日、今月の会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と述べ、政策金利を引き上げる可能性を示唆したことがドル売り・円買いを促した。12月9、10日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で追加利下げが決定されることは確定的だが、来年以降の米政策金利見通しは不透明であることから、リスク回避的な米ドル売りは一巡しつつあったが、高市政権が今月の利上げを容認する姿勢であることが複数の関係者への取材で明らかになり、日銀による12月利上げを想定した米ドル売り・円買いが活発となった。米ドル・円は5日の東京市場で154円35銭まで下落する場面があった。
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は155円49銭まで反発した。日本銀行による12月利上げの可能性が一段と高まったが、この日発表された米国の9月コアPC価格指数は市場予想と一致し、12月ミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回ったことから、リスク回避的な米ドル売り・円買いはやや縮小。156円30銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:154円35銭-156円24銭。
【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、日米金利差縮小観測強まる
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は12月9-10日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ptの追加利下げを決定する公算が大きい。米国の追加利下げはある程度織り込まれているため、2026年に向けた金融当局者の金利見通しで一段の緩和に慎重なら、ドル売りは抑制されるだろう。日本銀行は今月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げを決定する可能性が高いとみられているが、2026年も複数回の利上げが実施される可能性が浮上した場合、日米金利差の一段の縮小を意識してリスク回避的な円買いは継続するとみられる。ただ、日本の財政悪化が引き続き問題視されており、日銀による追加利上げを受けても米ドル・円は152円台を維持する可能性は高いとみられる。
【日・10月現金給与総額】(8日発表予定)
12月8日発表の10月現金給与総額が9月実績(前年比+2.1%)を上回った場合、日本銀行による利上げ期待を後押しする材料になり、円買い要因に。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(9-10日開催予定)
FRBは12月9-10日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、追加利下げに踏み切る公算。0.25ptの政策金利引き下げはすでに織り込まれており、来年の政策方針も緩和に慎重ならドル買い材料となる。
予想レンジ:152円00銭-157円00銭《FA》