相場展望11月27日号 米国株: 米国の雇用対策を、FRBの利下げに求めるトランプ政権 日本株: 日経平均上昇の立役者ソフトバンクGの株価が急落
2025年11月27日 13:51
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)11/24、NYダウ+202ドル高、46,448ドル
2)11/25、NYダウ+664ドル高、47,112ドル
3)11/26、NYダウ+314ドル高、47,427ドル
●2.米国株:米国の雇用対策を、FRBの利下げに求めるトランプ政権
1)FRBの利下げ観測の強まりで、11/24大幅高
・11/24米国株の状況
NYダウ +0.44%高
ナスダック総合 +2.69
S&P500種 +1.55
半導体株(SOX) +4.63
・12月の利下げ観測が高まり急伸した。
2)NYダウは、大幅安の後、反発時期にある
・NYダウの推移
11/12 48,254ドル
11/20 45,752
11/26 47,427
・11/12⇒11/20は、▲2,502ドル安・▲5.18%下落。
11/20⇒11/26は、+ 1,675ドル高・+ 3.66%上昇。
・NYダウは上昇気流に乗っていたが、「ボックス圏」での推移に移行した模様。
3)米国の雇用状況の悪化対策を、FRBの利下げに求めるトランプ政権
・雇用主が、(1)新規採用を控えるなか、(2)現従業員の雇用を保っている状況にある。
・ただ、失業者にとっては再就職が難しい状況となり、失業率は上昇傾向にある。
・トランプ政権が推し進める連邦政府職員の▲31.7万人削減が、雇用状況の圧迫となっている。
・トランプ政権は米国連邦準備理事会(FRB)に、雇用状況が悪いからと「利下げ」要求をしている。トランプ政権自体が、連邦政府職員の▲13%程度を削減しながら、その雇用市場対策のためにFRBに利下げ要求をするという、首を傾げる状況になっている。
●3.トランプ政権、2025年に連邦職員▲31.7万人削減、従来見通し▲30万人から拡大(ロイター)
1)トランプ大統領はこれまでも、連邦政府は肥大化していると非難してきた。2期目のトランプ政権発足時の連邦職員数は約240万人だった。
●4.米国失業保険申請件数は21.6万件と予想より▲0.6万件減少、4月中旬以来の低水準(ブルームバーグ)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)11/24、上海総合+1高、3,836
2)11/25、上海総合+33高、3,870
3)11/26、上海総合▲5安、3,864
●2.中国不動産危機、不動産大手・万科の社債急落で再び焦点に、デフォルテ懸念広がる(ブルームバーグ)
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)11/24、祝日「勤労感謝の日」の振替で休場
2)11/25、日経平均+33円高、48,659円
3)11/26、日経平均+899円高、49,559円
●2.日本株 : 日経平均上昇の立役者ソフトバンクGの株価が急落
1)11/25日経平均の概況
・11/24時間外取引で、エヌビディアが下落し、AI・半導体株への影響が懸念。
・前営業日の大幅安を受けたリバウンドによる朝高も、後場に崩れる半導体関連株のアドバンテストと東京エレクトロンが株価上昇するも、ソフトバンクGの下落が大きく、日経平均は+33円高と小幅上昇した。
2)日経平均上昇の立役者ソフトバンクGの株価が急落
・ソフトバンクG(SBG)の株価推移 日経平均の推移
06/02 7,355円 37,470円
09/03 14,570 41,938
10/29 27,315 51,307
10/30 26,300 51,325
10/31 27,065 52,411
11/04 25,160 51,497
11/21 17,090 48,625
11/25 15,390 48,659
11/26 16,260 49,559
・SBGの10/29⇒11/25は、▲11,925円下落・▲43.65%安。
日経平均の10/31⇒11/25は、▲3,752円安・▲7.15%安。
・SBGの手仕舞い売りが優勢となっている。
3)日経平均寄与度上位のアップ・ダウン相場が続く
(1)11/25、日経平均+33円高に占める寄与上位5銘柄で+795円高・+61.8%占有
・日経平均寄与上位5銘柄 寄与度 株価上昇幅
アドバンテスト +205円高 +765円高
ファーストリテイ +95 +1,190
東京エレクトロン +92 +920
TDK +23 +45
第一三共 +13 +132
合計 +428円高
・ソフトバンクGは寄与▲341円安、株価▲1,700円安。
(2)11/26、日経平均+899円高に占める寄与上位5銘柄で+408円高・+45.3%占有
・日経平均寄与上位5銘柄 寄与度 株価上昇幅
ソフトバンクG +174円高 +870円高
アドバンテスト +102 +380
ファーストリテイ +80 +1,000
リクルート +29 +290
ソニー +23 +137
合計 +408
・本日は東京プライムの値上がり銘柄数は1,422と、全体の87.5%が上昇した。幅広い銘柄に買いが波及した。
4)海外短期筋は11月第2週(11/10~14)で先物を大量売り越し
・11月2週の海外投資家の売買状況
現物株 先物 合計
+5,148億円買 ▲2兆1,179億円売 ▲1兆6,031億円売
・海外短期筋の怒涛の売りが目立った週だった。
・今後、海外短期筋の動きは、
・買いは、下落後の反発狙いのときとなりそうだ。
・積極的な買いは望み薄と思われる。
5)日経平均は、「ボックス圏相場」を予想
・米国の追加利下げ観測が強まり米国株高となっている。ただ、直近の大幅下落の反発材料にとどまる可能性がある。したがって、ボックス圏相場になると予想する。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・9984 ソフトバンクG 大幅下落の反発狙い
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