所得減税実施 4万円以下で買える業績好調の高利回り株は?
2025年11月25日 18:11
●103万円の壁引き上げで2~4万円の減税が実現、投資機会にも
いわゆる103万円の壁の引き上げにより、2025年12月の年末調整で給与所得者一人当たり2~4万円の所得減税が実施される。所得階層によって最大160万円まで非課税枠が拡大することから、働き控えの改善にもつながるという。
【こちらも】財政政策諮問会議新メンバー選出で見えた、高市内閣積極財政への本気度
国民の手取りを増やすための経済対策として実施されるが、国民は減税されたお金で何を買うのだろうか。食費に充てる家庭も多いだろうが、減税分を使って株式を購入し、資産運用に踏み出す機会とするのもよいだろう。
そこで本記事では、減税分の4万円以下で買える銘柄の中から、高い運用利回りが見込める銘柄をピックアップしてみる。
●4万円以下で買える業績好調高利回り株4選
減税分で購入するとはいえ、どんな銘柄でもよいわけではない。一定の運用成果を期待するには、以下のような条件が必要だ。
1.今期の業績が増益見込みであること
2.100株4万円以下で買えること
3.配当利回りが3%を超えていること
以上の条件でスクリーニングした結果、以下の4銘柄が購入候補として浮かび上がった。購入金額や配当利回りは2025年11月25日終値から算出している。
・NTT(9432) 株価:152.4円 購入金額:1万5,240円(100株の場合、以下同)
通信の巨人。かつては値嵩株だったが1対25の株式分割を実施した結果、1株100円台で買えるようになった。日本を代表する超大型株で値動きが緩やかなことから、投資初心者におすすめの銘柄といえる。
今2026年3月期の業績は、営業収益14兆1,900億円(前期比+3.5%)、営業利益1兆7,700億円(同+7.3%)、税引前利益1兆6,600億円(同+6.1%)、純利益1兆400億円(同+4.0%)と増益を見込んでいる。
予想配当は1株5.3円で、配当利回りは3.48%である。株主優待として100株を2年以上3年未満保有でdポイント1,500ポイント、5年以上6年未満で3,000ポイントが贈呈されるため、総合利回りはさらに高くなる。長期投資に最適な銘柄だ。
・ソフトバンク(9434) 株価:225円 購入金額:2万2,500円
通信御三家の一角。近年は電子マネーPayPayを強化している。スマホを中心とした通信事業が主力であることから、業績のブレがあまりなく安心して投資できる銘柄の一つと評価できる。2024年9月30日に1対10の株式分割を実施しており、買いやすくなった。
今2026年3月期の業績は、売上高6兆7,000億円(前期比+2.4%)、営業利益1兆円(同+1.1%)、純利益5,400億円(同+2.6%)と増益を確保する見込みだ。
配当は1株8.6円で、配当利回りは3.82%である。株主優待として100株を1年以上保有でPayPayマネーライトが1,000円分贈呈される。
・フィンテック・グローバル(8789) 株価:141円 購入金額:1万4,100円
スタンダード市場上場の投資事業会社。投資銀行業務や投資運用業務等を行っている。話題の北欧をテーマにしたテーマパーク「ムーミンバレーパーク」に投資していることで知られるようになった。
今2026年9月期の業績は、売上高182億円(前期比+26.1%)、営業利益42億円(同+23.3%)、経常利益40億円(同+23.4%)、純利益27億円(同+27.2%)と大幅増益を見込んでおり、業績は好調だ。
予想配当は1株5円で、配当利回りは3.55%である。100株では株主優待は付かないが、1,000株保有すると、ムーミンバレーパークのチケット50%割引を受けられる。
・パーソルホールディングス(2181) 株価288.2円 購入金額:2万8,820円
人材総合サービスで業界第2位。事務派遣、転職支援、エンジニア派遣が主力で、M&Aやアジアでの展開も積極的に行っている。
今2026年3月期の業績は、売上収益1兆5,400億円(前期比+6.1%)、営業利益660億円(同+14.9%)、税引前利益650億円(同+13.7%)、純利益432億円(同+14.6%)と2ケタ増益を見込んでいる。
予想配当は1株11円で、配当利回りは3.82%である。株主優待は実施していない。
※紹介した銘柄は一例であり、運用結果を保証するものではありません。投資の最終的な判断はご自身でお願いします。(記事:丸山優太郎・記事一覧を見る)