年金積立金運用GPIF、2024年度は1.7兆円の黒字、5年連続でプラス収益
2025年7月8日 13:21
■外国株式と為替差益が収益を支える一方、国内債券は2兆円超の赤字
公的年金の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は7月4日、2024年度の運用実績を発表した。収益額は1兆7334億円となり、5年連続の黒字を確保した。年度末の運用資産残高は249兆7821億円で過去最高を更新した。収益率は0.71%にとどまり、前年度の22.67%から大幅に縮小したが、市場の変動に対し一定の耐性を示したかたちだ。
資産別では、外国株式が4兆3103億円の収益を計上し、全体収益をけん引した。外国債券も1兆857億円の黒字となった。一方、国内株式は8200億円の損失、国内債券は2兆8426億円の赤字となり、内需関連資産は総じて低調だった。米金利の低下や円安進行が国外資産に追い風となった半面、国内債券は金利上昇に伴う価格下落の影響を受けた。通期の為替差益はおよそ2兆円規模となり、収益全体を下支えした。
GPIFは長期的視点に立った安定的な運用を基本方針としており、現在の基本ポートフォリオは国内外の株式と債券を各25%で均等配分する形を維持している。収益率は中期目標の実質1.9%には届かなかったが、物価上昇率を加味した長期収益確保の姿勢に変わりはない。環境・社会・企業統治(ESG)を考慮した運用や企業との対話(エンゲージメント)も継続しており、持続可能性を意識した資産運用が一段と重要性を増している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)