2つの惑星が同じ軌道を公転する「トロヤ惑星」とみられる天体を発見

2023年7月29日 09:42

スペイン宇宙生物学センター(CAB)の学生Olga Balsalobre-Ruza氏を筆頭とする研究チームは、チリの砂漠にあるアルマ望遠鏡を用いて、太陽系外惑星「PDS 70 b」と公転軌道を共有する別の系外惑星の存在を示す証拠を見つけたと発表した。こうした同じ軌道上を公転する2つの惑星を「トロヤ惑星(trojan planet)」と呼ぶそうで今回、太陽系外で初めて「トロヤ惑星」の証拠が発見されたことになるそうだ(Astronomy & AstrophysicsGIZMODOガラパイアsorae)。 PDS 70 bは、「ケンタウルス座」の方向、約370光年先にある若い星「PDS 70」を公転しており、その周囲には広い空洞が生じた原始惑星系円盤に取り囲まれているという。空洞の中には、二つの系外惑星(PDS 70 cも含む)が見つかっており、形成過程にある惑星系の一例として研究対象対象となっているという。 今回、研究チームはPDS 70とPDS 70 bのラグランジュ点の一つ「L5」付近で、微弱な信号が検出されたことを明らかにした。これを分析したところ、PDS 70 bのL5点付近には地球の月の0.03~2倍に相当する総質量のデブリの雲が存在することが判明。このデブリの雲について研究チームは、これから形成される惑星の材料もしくは、すでに形成された惑星の残余物ではないかとみている。つまり、PDS 70 bと同じ軌道を公転しているもう一つの惑星が存在する可能性が示唆されたとしている。 

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