【映画で学ぶ英語】『DUNE/デューン 砂の惑星』:ヒーローを育てる名言5選

2021年11月4日 11:37

 10月15日に公開された『DUNE/デューン 砂の惑星』は、フランク・ハーバートのSF文学の古典を豪華キャストで映像化した作品だ。IMAXの全面的バックアップのもと、同社公認のデジタルカメラで撮影、究極の映画体験を可能にする「Filmed For IMAX」の認定を受けたことでも話題になっている。

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 砂漠ばかりの惑星・アラキスで陰謀に巻き込まれたアトレイデス公爵家の若き後継者・ポール(ティモシー・シャラメ)が、数々の試練を経て成長していく物語だ。

 今回はこの映画から主人公・ポールの人格形成に影響を与える名言を取り上げたい。

■Dreams make good stories, but everything important happens when we're awake.

 『アクアマン』で知られるジェイソン・モモアが演じるダンカン・アイダホは『DUNE/デューン 砂の惑星』で最も好感の持てる登場人物のひとり。

 アトレイデス公爵が最も信頼する家臣のひとりであるダンカンは、ポールのことを可愛がっている。ポールも彼のことを心から信頼しており、不思議な夢に悩まされていることを彼に打ち明けた。

 上にあげたセリフは、夢は物語にはもってこいだが、重要ではない、とポールを諭すダンカンのセリフ。Everything importantで「重要なものはなにもかも」という意味になっている。

■A great man doesn’t seek to lead. He’s called to it.

 家督を継ぐ心の準備ができていないポールに、父親であるレト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)が言うセリフ。偉大な人物は自らひとの上に立とうとするのではなく、召されてその職に就くものだ、という意味である。

 このセリフのcall toは「ひとを職務に就かせる」という意味のややあらたまった言い回しで、受動態で用いられることが多い。ちなみに法律の専門用語でcall(ed) to the barと言ったら、「法廷弁護士・バリスターに必要な資格を得ること」である。

■What’s mood to do with it? You fight when the necessity arises, no matter the mood.

 剣術の稽古にやる気のないポールに、アトレイデス公爵の家臣・ガーニー・ハレック(ジョシュ・ブローリン)がはっぱを掛けるセリフ。

 気分は関係ない、必要が生じたらいつでも戦わなければならない、と言うのである。この厳しい教えは映画の結末でポールの命を救うことになる。

 このセリフの最初のwhat’sはwhat hasの省略形、hasが疑問文で倒置されている。Have to do withは「~と関係がある」という意味のイディオムである。

■Fear is the mind-killer. Fear is the little death that brings obliteration.

 原作では第1章から繰り返し現れるこのセリフは『DUNE/デューン 砂の惑星』で最も有名な言葉のひとつであろう。

 「恐怖こそ心を殺す最大の敵」という教えは、ポールの母・レディ・ジェシカが教育を受けた、女性だけのエリート教育機関・ベネ・ゲセリットの祈りの文句である。

 Obliterationとはobliterate(消す、抹殺する)の名詞で、医学では閉塞、除去といった意味もある。

■The mystery of life isn't a problem to solve, But a reality to experience.

 アトレイデス家の宿敵であるハルコネン家の追っ手を逃れて、ポールの操縦する羽ばたき飛行機(オーニスプター)は砂嵐のなかに突入した。

 視界不良で操縦できないポールの心中に、砂漠の先住民・フレーメンの男・ジャミスの幻影が現れ「ことの流れに身をまかせるのだ」と語る。この言葉の意味を会得したポールはオーニソプターを無事着陸させた。

 上にあげたセリフはこのときジャミスの幻影が人生哲学を語る言葉だが、原作ではレディ・ジェシカとポール母子の対話である。

 人生の謎は「解決すべき問題(a problem to solve)」ではなく、現実として体験するものだ、という意味。このセリフで使われているto不定詞はその前の名詞を修飾する形容詞的用法である。

 今回の映像化には、『フォレスト・ガンプ/一期一会』などで知られるベテラン脚本家・エリック・ロスが加わったこともあり、この記事で紹介した他にも印象深いセリフが多い。2時間35分の上映時間で原作のほぼ半分を映画化して見ごたえのある作品に仕上がっている。

 10月26日(現地時間)には後編となる第2部の製作が正式に発表され、SFファンならずとも必見の作品と言えるだろう。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る

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