コロナ関連の破たん1,009件に 最多ペース維持しながら4桁突破 東京商工リサーチ

2021年2月13日 18:55

 東京商工リサーチは12日、コロナ禍が主因で経営破たんした国内事業者数が、前週から31件増え累計で1,009件(負債1,000万円以上)に達したと発表。東京や大阪などの都市圏における飲食関連を中心に発生しており、2月は過去最多ペース。ワクチンの接種開始を控え、緊急事態宣言の前倒し解除が注目されるが、感染再拡大のリスクを懸念する政府は慎重姿勢。政府による事業者への資金繰り支援策は続くが、売上回復の目処が立たない中、事業継続を諦めるケースが増えている。

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 東京都は13日、都内で確認された新型コロナウイルス新規感染者数が369人と7日連続で500人を下回ったと発表。一方、重症者数は前日から2人増え104人だった。13日までの1週間における1日当たり平均は388人で、前週の601人や前々週の900人からさらに減少。緊急事態宣言解除の目安とされる「500人未満」となった。

 厚労省は12日、米ファイザーのワクチンについて製造販売の特例承認を了承。日本でもいよいよ17日から接種開始が予定される。3月7日を期限とする緊急事態宣言の前倒し解除が注目されるところ、政府は12日、東京都など10都府県に対する宣言の継続を発表した。対象地域の多くで病床使用率がステージ4の水準にあることが主な理由。

 前倒し解除については、来週以降も週単位で判断される見通しながら、変異ウイルスの感染が増える中、政府は宣言解除後の気の緩みで再び感染が拡大する事態を警戒する。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間13日午後4時時点で1億819万人超、死者数は238万人を超えた。国別の最多は米国の2,749万人超、次いでインドが1,089万人。以下、ブラジル976万人、イギリス402万人、ロシア399万人、フランス346万人、スペイン305万人、イタリア269万人と続く。日本の累計感染者数は41万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは、新型コロナウイルスに関連して経営破たん事業者数が12日16:00時点で1,009件に達したと発表。このうち932件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。負債1,000万円未満の小規模倒産は含まれていない。

 東京や大阪などの都市圏で発生件数が集中しており、業種別では飲食業、アパレル業、建設業、宿泊業の順に多い。12日には、機内食向けの食材販売会社や老舗の卵焼きメーカーが破たんするなど、影響は周辺業界まで広がる。

 2月は12日時点で73件に達し、3桁はほぼ確実。昨年9月、10月、11月に3カ月連続で3桁となったが、2月はこれを大きく上回るペース。

 コロナの感染拡大以降、持続化給付金や家賃支援金をはじめとした政府補助に加え、利息や担保の要らない融資など中小企業向けの支援策が充実。その結果、全業種での倒産件数は抑えられている。一方、飲食業などの外出や密の伴う業種では売上の減少が続き、コロナ以前より業績の悪かった事業者に限らず、事業継続を諦めるケースが増えている。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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