8日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で5日ぶり反落、小米が3.9%下落(訂正)
2020年10月8日 18:04
*18:04JST 8日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で5日ぶり反落、小米が3.9%下落(訂正)
下記のとおり修正します。
(誤)香港大引:ハンセン0.2%安で5日ぶり反落、小米が3.9%下落
(正)8日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で5日ぶり反落、小米が3.9%下落(訂正)
8日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比49.51ポイント(0.20%)安の24193.35ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は4.81ポイント(0.05%)安の9624.48ポイントとそろって5日ぶりに反落した。売買代金は877億8900万香港ドルとなっている(7日は921億7200万香港ドル)。
中国発の新規材料に乏しい中で、米中関係の悪化懸念が蒸し返される流れ。11月3日の米大統領選に向けた副大統領候補のテレビ討論会が日本時間8日午前スタートし、共和党のペンス元副大統領は、「新型コロナウイルスに関しては中国の責任を追及する」と強調した。また、米メディアは8日、「中国の2大電子決済プラットフォームに対し、トランプ米政権が制限を課すことを検討しているもよう」などと消息筋の話として報じている。
ただ、大きく売り込む動きはみられない。取引再開後の本土株高が期待されている。あす9日、国慶節の大型連休を終えて9日ぶりに取引を再開する本土株市場については、市場関係者の間では強気の見方が優勢だ。現地メディアが8日伝えたところによれば、連休中の海外株高や国内消費市場の堅調が追い風になるとみられている。また、時間外取引のNYダウ先物が上げ幅を広げていることも買い安心感を誘った。香港の各指数は引けにかけて下げ幅を縮小している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、スマートフォン(スマホ)中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が3.9%安と急落。ライバル社のスマホ・ブランド売却観測がネガティブ材料。天風国際証券のアナリストは最新リポートで、通信機器メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)が米国の制裁措置を受け、スマホのサブブランド「栄耀(Honor)」を他社に売却する可能性があるとの見解を示している。栄耀のシェアを奪うという、小米の目論見が空振りになるとの見方だ。
セクター別では、マカオ・カジノが安い。澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が3.0%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.9%、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が2.3%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.0%ずつ下落した。足もとの営業不振が嫌気されている。香港メディアは8日、「中国大型連休中のカジノ業況は予想を下回る見通し」とSJM幹部の話として伝えた。
他の個別株動向では、ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.1%安。米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは7日、米国による輸出制限を理由に、SMICを格下げ方向で検討する「クレジット・ウォッチ・ネガティブ」に指定した。「ジャンク級(投機的等級)」転落の不安が広がっている。
半面、太陽光や風力などエコ発電関連の銘柄群は急伸。陽光能源HD(757/HK)が43.3%高、中国興業太陽能技術HD(750/HK)が12.7%高、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が11.0%高、中国高速伝動設備集団(658/HK)が10.5%高、龍源電力集団(916/HK)が4.7%高と値を上げた。陽光能源などソーラー部材各社に関しては、第4四半期の受注好調が好感されている。また、米大統領選でバイデン候補が優勢と伝わり、同候補が掲げるグリーン政策の恩恵も期待された。
自動車セクターもしっかり。比亜迪(BYD:1211/HK)が5.9%高、長城汽車(2333/HK)が5.5%高、広州汽車集団(2238/HK)が3.1%高、北京汽車(1958/HK)が2.9%高で取引を終えた。BYDは上場来高値を更新している。
亜州リサーチ(株)《FA》