『量子暗号通信』開発で国家プロジェクト始動へ 注目株は?

2020年7月16日 07:17

 5Gベースの情報通信で最重要課題とされる高度なセキュリティ・システムの構築において、量子暗号通信システムの開発が世界中で急がれている。その最先端を走る東芝をはじめ、古川電機やNECなど早くから量子コンピュータ技術を研究してきた大手企業と、東京大学や国の情報通信研究機関らが協力体制で臨む大掛かりな国家プロジェクトが7月中に始動すると、NHKは14日報じた。

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 いよいよ東芝の株を買い込むチャンスが来たのだ。これで長いボックス相場から上抜けする条件がそろったと言えよう。

 量子コンピュータの実用化は世界中で急ピッチに進んでおり、2019年10月にGoogleを中心とする開発チームが、『最速のスーパーコンピュータが1万年要する計算を3分20秒で解読に成功した』と早々に公表している。

 この成果を受けて、現在の情報通信技術におけるセキュリティ・システムが丸裸にされることを危惧する面もあるが、実は量子コンピュータによる暗号通信技術と解読不可能なセキュリティシステムの完成で、5GとAI技術をインフラとするスマートシティの完成度が数段アップすると期待れているのだ。

 経済社会においては高速度で安全性が極めて高いスマートコントラクトの実装がなされ、大容量のデータ通信による無人操作の移動手段・製造手段・安全管理手段の確立、フルオートによるIoT機器の稼働など、人力を介さずに社会活動のほとんどが賄われるスマートシティの発展につながるということだ。

 このプロジェクトは、少子高齢化が加速する日本社会にとって救世主となり得ることは言うまでもない。政府では『スマートシティ官民連携プラットフォーム』を発足し、すでにいくつものスマートシティ化が進められている。

 有名なところでは静岡県裾野市のトヨタ ウーブン・シティ、東京都港区のソフトバンク・スマートシティ、北海道札幌市のDATA-SMART CITY SAPPOROなど、数年後の実用に向けて着々と準備を進めている。ここに量子暗号通信システムが導入されることで、まったく新しい社会システムの完成が見られることだろう。

 もちろん、このプロジェクトには膨大な国費が投入され続ける。その資金と研究チーム間の情報共有によって、東芝・NEC・古川電機などは開発を促進し、より早い実用化にこぎつけるはずだ。

 世界に先駆けて実用化がなされれば、世界市場で大きなシェアを獲得することになる。東芝はもとより、NECや古川電機もこの10年来ローレンジで横ばいを続けたボックス相場からの脱出が期待できるのだ。(記事:TO・記事一覧を見る

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