独決済大手ワイヤーカードが破綻 ビザとマスターカードが取引無効化を検討
2020年6月27日 09:18
ドイツのオンライン決済大手「ワイヤーカード」が25日、破産手続きの開始を表明した。同社に対しては19億ユーロの資金の行方が不明という不正会計疑惑が出ている(ロイター、Bloomberg)。 同社はドイツ主要30銘柄を構成するDAX30に含まれていた。負債額は35億ユーロ(約40億ドル)。株価低迷などを受けて19日にマークス・ブラウン最高経営責任者(CEO)が辞任したが、直後にドイツ警察によって逮捕されている(日経新聞、TechCrunch)。 ワイヤーカードは世界で活動しており、法人顧客が決済サービスを利用する際、事前に保証金をとる仕組みなど取っている。保証金は解約すれば3から6か月で返済される仕組みだが、破産すれば全額返済は困難とみられる。今回の破産で、こうした保証金の返金に問題が生じる可能性が高く、影響は広い範囲に及ぶとみられている。なお、ビザとマスターカードは、両社のネットワーク上でワイヤーカードが取引するのを無効化することを検討しているという(日経新聞、Bloomberg)。 また同社は昨年、ソフトバンクグループと提携していることが伝えられているが、中央日報や日経などの報道を見る限り、投資損失の影響は少ないとみられる(中央日報、日経新聞)。