REITの6月期決算は? インヴィンシブルが予想分配金額を大幅下方修正

2020年5月15日 17:17

 新型コロナウイルスの影響が、REITの分配金にも現れ始めた。6月に決算を行うインヴィンシブル投資法人は、これまで1,812円としていた予想分配金額を30円に大幅下方修正している。この修正は、今後決算を行うREITにどのような影響を与えるだろうか。

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■インヴィンシブル投資法人の分配金利回りは5%から0.2%へ

 インヴィンシブル投資法人の2019年度分配実績は、3,381円だった。2019年12月時点の価格で計算すると、分配金利回りはおよそ5%だったことが分かる。しかし、今回の予想分配金額の修正により、分配金利回りは大きく下がった。仮に2020年12月期にも6月と同額の30円の分配金が支払われたとすると、1年間の分配金利回りは0.2%程度になる。

■REITの人気は、分配金利回りの高さ

 REITが人気を集める理由は、高い利回りの分配金を安定的に受け取れることだ。REITは投資する不動産の賃貸料を主な収入源とする。賃貸契約は、年単位で結ばれることがほとんどだ。そのため、REITは安定的な収益をあげ続けられ、高い水準の分配金が安定的に支払われてきたのである。

 しかし、新型コロナウイルスの影響が長期化すれば、賃貸料の支払いができなくなるケースも増えてくるだろう。賃貸料の減少はREITの減益につながり、分配金の減額を招く。複数のREITで分配金の下方修正が続けば、REIT市場の縮小につながる可能性もある。

■減益の大きさは投資する不動産の種類によって差が出る可能性も

 インヴィンシブル投資法人の投資先は、84のホテルと60の住居、2つの商業施設だ。新型コロナウイルスで大きな影響を受けたホテルを主な投資先としていたことが、分配金額予想をここまで下げた要因の可能性もある。

 6月には、オフィスビルや商業施設を中心に投資するさくら総合リート投資法人や、オフィスビルに重点投資を行うMCUBS MidCity投資法人など、複数のREITの決算がある。今後のREIT市場の行方を考えるうえで、オフィスや物流施設・商業施設など、ホテル以外を投資対象とするREITの決算報告にも注目したい。(記事:yamamoto・記事一覧を見る

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