19日の香港市場概況:ハンセン2.6%安で続落、新型コロナ感染の警戒感続く

2020年3月19日 18:00


*18:00JST 19日の香港市場概況:ハンセン2.6%安で続落、新型コロナ感染の警戒感続く
19日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比582.69ポイント(2.61%)安の21709.13ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が240.98ポイント(2.74%)安の8559.64ポイントと7日続落した。ハンセン指数は約3年2カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる(一時5.2%安)。売買代金は1910億5300万香港ドルに膨らんだ(18日は1660億8900万香港ドル)。

新型コロナウイルス感染拡大の警戒感が続く。パンデミック(世界的流行)により、欧州や米国では製造業の操業や店舗の営業停止、国境の閉鎖が相次ぐ状況だ。トランプ米大統領は18日、米国とカナダの国境を一時閉鎖すると発表。フランスでは17日正午から全土で外出禁止措置が始まり、陸軍が部隊を展開した。中国の成長率見通し引き下げが相次いでいることも不安材料。なかでもゴールドマン・サックス(GS)は、GDP成長率見通しを下方修正し、2020年1~3月期に前年同期比でマイナス9%まで悪化すると悲観分析した(従来予想はプラス2.5%)。GSは年間のGDP成長率について、3%増に予測を下方修正。これは中国の文化大革命が終わった1976年以来の低成長となる。

ただ、指数は引けにかけて下げ幅を縮小。景気悪化を回避するため、世界各国が積極的な財政刺激策を講じていることが支えだ。

ハンセン指数の構成銘柄はインフラ投資会社の長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)が12.6%安、電力大手の電能実業(6/HK)が9.5%安、香港不動産系コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)と香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(1/HK)がそろって8.7%安と下げが目立った。長江グループ系の長江基建集団に関しては、19年通期決算が0.6%増益にとどまったことが失望売りにつながっている。

セクター別では、中国の保険が安い。中国人民財産保険(PICC:2328/HK)と中国太平洋保険集団(2601/HK)、新華人寿保険(1336/HK)がそろって6.4%、中国太平保険HD(966/HK)が5.8%ずつ下落した。

空運・海運セクターも急落。中国国際航空(753/HK)が8.6%安、中国南方航空(1055/HK)が6.8%安、中国東方航空(670/HK)が3.4%安、中遠海運HD(1919/HK)が5.4%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.4%安で引けた。

半面、インターネットやスマートフォン、半導体などハイテク関連の銘柄はしっかり。騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.7%、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が0.6%、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ:2018/HK)が4.3%、舜宇光学科技(2382/HK)が2.5%、華虹半導体(1347/HK)が2.9%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.1%ずつ上昇した。中国インターネットサービス最大手のテンセントについては、通期決算の増益が好感されている。また、同社のゲーム事業は、コロナによる外出制限がプラスに働くと指摘された。

半面、本土市場は7日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.98%安の2702.13ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。自動車株、消費関連株、不動産株、医薬品株、資源・素材株、運輸株、インフラ関連株なども売られた。半面、ハイテク株やテレワーク関連株は物色されている。

【亜州IR】《FA》

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