ウミガメ、海洋プラごみに付着の微生物や藻類の匂いを食べ物の匂いと誤認か

2020年3月16日 06:44

ウミガメが海洋プラスチックごみを食べてしまう原因として、付着した微生物や藻類の匂いを食べ物の匂いと誤認してしまう可能性を示す研究成果が発表された(論文ノースカロライナ大学のニュース記事Ars Technicaの記事)。

ウミガメが海洋プラスチックごみを食べる原因としては、プラスチック製の袋の外見がクラゲに似ているため餌と誤認するという仮説もあるが、餌と誤認しそうもない外見のプラスチックごみを食べたウミガメが発見されることもある。一方、ウミガメが食べ物の匂いやジメチルスルフィドといった空気中の臭気物質を検知できることが過去の研究で確認されている。

今回の研究では生後約5か月のアカウミガメ15匹それぞれに対し、(a)脱イオン水、(b)ウミガメの餌、(c)清浄なプラスチック、(d)バイオフィルムの付着したプラスチック の匂いをランダムな順序で水槽上部の空間に送り、反応を確認している。その結果、アカウミガメは(b)(d)の場合に(a)(c)の場合の3倍の時間鼻先を水面から突き出していたという。ただし、今回の研究ではアカウミガメが反応した臭気物質の特定までは行っておらず、水中に溶け込んだ物質に反応した可能性も排除できない。

具体的にウミガメが何に反応し、行動に影響を受けているのかといった点についてはさらなる調査が必要となる。その原因を理解することは増加し続ける海洋プラスチックごみがもたらす野生生物や生態系への影響を緩和するためにも重要とのことだ。

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