米連邦地裁、肉代用食品に肉製品の名称表示禁じた州法の執行を事前差止

2019年12月15日 21:02

米アーカンソー東地区連邦地裁のKristine Baker判事は11日、肉代用食品のラベルに肉製品の名称を記載することを禁じるアーカンソー州法について、執行の事前差止を命じた(ACLUの記事Ars Technicaの記事裁判所文書)。

Act 501と呼ばれる州法は農畜産製品の名称で異なる食品名の使用を禁じるもので、違反した場合は1回あたり1,000ドル以下の罰金が科せられる。条文では特に肉類や米類に関して細かく定義されており、たとえば植物や昆虫などを原料に合成した製品や細胞を培養した製品の名称では「Meat」という単語の使用が禁じられる。

しかし、植物性の肉代用食品を製造・販売するTofurkyのような企業は「グルテンと豆腐のソーセージ」「植物ベースのホットドッグ」「ベジタリアンハム」といった、製品を正確にわかりやすくミスリーディングすることなしに説明する表現が使用できなくなる。そのため、全米市民自由連合(ACLU)などがTofurkyの代理人となり、州法の規定が表現の自由を定めた合衆国憲法修正第1条に違反することの確認や、執行の事前差止などを求めて州標準規格局を訴えていた(訴状)。

州側はたとえ「植物ベースの」といった記載があっても消費者は「バーガー」「ソーセージ」などに肉が含まれると誤解するとの主張を続けていたが、その理屈を判事は「小麦粉不使用のチョコレートケーキ」に小麦粉が含まれ、電子書籍は紙でできていると誤解する人がいると主張するのも同然だと否定。Tofurkyのラベルで消費者が混乱した証拠もなく、州法の規定が修正第1条に違反する可能性も高いなどとして、Tofurky側の事前差止請求を認めた。

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