ラッド ミュージシャン、2019-20年秋冬コレクション発表

2019年7月10日 20:56

 ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)は、2019-20年秋冬コレクションを発表。

■東洋・西洋の哲学から着想

 「NEW DISORDER“新たな混乱”」をテーマに掲げた今季。着想源となったのは、東洋・西洋哲学だ。“有”にも“無”にもとらわれない「非有非無」の概念や、「存在とは何か?」という問いへの、解答不可能な混濁した複雑さをコレクションに投影。退廃的でノイジーなイメージのデザインを揃える。

■絵画的な植物

 立体的に描かれた花のプリントは、19世紀の絵画をベースにしている。ロングジャケットやセットアップ、ブラウス、スウェットに描かれた花々は、青、または紫がかった色彩をまとって、鮮やかながらも毒々しく咲いている。影の描写によって、抽象性を帯びているのもまた印象的だ。

 ロングブラウスや羽織のようなロングコート、ジャケット、パンツ、Tシャツにあしらわれた、落ちていく葉のモチーフは、本物の葉を採取して作られている。葉の1枚1枚の形状や揺れ落ちていく様子を、それぞれのアイテムに投影。静かなモチーフながらも目を引く仕上がりとなっている。

■“芥子の花”を配したモヘアジャカードニット

 アンディ・ウォーホルの《花》を彷彿させる花柄にも注目したい。元々描かれていたハイビスカスは芥子(ケシ)の花に変わっており、ダークな背景のモヘアジャカードニットに、ピンクやレッドの花を咲かせている。一見するとポップだが、よく見ていくと仄暗く狂気を孕んだ表情に気が付く。

■シャープさを加えたオーバーシルエット

 シルエットは、前シーズンに引き続き極端なオーバーシルエットのウェアが目立つ。テーラードジャケットやロングコートは、身幅をゆったりと仕立て、肩はしなる程にドロップさせたオーバーなサイズ感に対し、まっすぐに落ちる袖のストレートなフォルムがシャープなコントラストを描いている。アウターも、マキシ丈のノーカラートレンチコートやバルーンシルエットのMA-1、裾のドローコードで変形可能なモッズコートなど、分量感のあるピースを揃える。

 ボトムスは、生地をたっぷりと使い、タックを配したフレアーパンツや、ウエストにギャザーを寄せボリュームを出したワイドテーパード、ワイドクロップドパンツなど、着用した時のしなやかなドレープ感が上品なワイドパンツを展開。その一方で、センタープレスを配した細身のテーパードパンツなども揃え、多彩なバランスのスタイリングを可能にしている。

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