廃炉等への外国人従事「慎重な検討必要」厚労相

2019年5月23日 08:29

 東京電力福島第一原発事故による廃炉作業にあたる労働者については作業中から従事後も長期にわたって健康管理をしていくことが必要なため厚労省は今年4月に創設された在留資格「特定技能」の枠組みで廃炉作業をはじめとする放射線業務等に外国人労働者が従事することについて「極めて慎重な検討を行う必要がある」とし、21日、東電に対して「福島第一原発での外国人労働者に対する労働安全衛生確保の徹底について、慎重に検討し、検討結果を報告するよう」通達した。

 通達で「特定技能外国人労働者が従事する場合、次の第1から第3までの確実な実施を担保されることが前提だ」と釘を刺している。

 それによると第1に「東京電力が実施すべき事項」をあげ、発電所構内で行われる放射線業務及び各種工事について=(1)安全衛生管理体制の確立(2)リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施、安全衛生教育の実施等(3)被ばく線量管理(4)工事の発注段階からの効果的な被ばく低減対策の検討及び実施(5)健康管理対策等をあげた。また「東京電力が発注する発電所構外で行われる除染等業務及び特定線量下業務」について(1)事業者が教材の入手又は作成を行うなど必要な支援を行うこと。また第1の(3)から(5)までに準じて対応することとしている。

 第2に「元方事業者が実施すべき事項」をあげ、発電所構内で行われる放射線業務及び各種工事では(1)安全衛生管理体制の確立(2)リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施、安全衛生教育の実施等(3)被ばく線量管理、東京電力が発注する発電所構外で行われる除染等業務及び特定線量下業務では関係請負人が必要な安全衛生教育等を実施するよう必要な指導を行うことを通達した。

 第3は「特定技能外国人を受け入れる事業者が実施すべき事項」として、発電所構内で行われる放射線業務及び各種工事については(1)安全衛生管理体制の確立(2)リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施、安全衛生教育の実施等、東京電力が発注する発電所構外で行われる除染等業務及び特定線量下業務で必要な安全衛生教育等を実施することとしている。

 根本匠厚労大臣は「在留資格『特定技能』の枠組みにより日本国内で活躍される外国人の方々については大半が5年経過後に帰国される、また、日本語や我が国の労働慣行に不慣れであるといった点も考慮に入れ、こうした方々について、同じ業務に従事する日本人の方と同等以上の安全衛生水準が確保されるよう特段の安全衛生管理体制の確立が必要であると考えている」と通達の意味を説明。

 そのうえで「私としては、現状において東電福島第一原発構内外の廃炉作業をはじめとする放射線業務等に特定技能の外国人の方々に従事いただくか否かについては極めて慎重な検討を行う必要があると考えている」と強調した。(編集担当:森高龍二)

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