シスメックス、がんゲノム医療普及に繋がるゲノム検査システムの製造承認取得

2018年12月26日 21:35

 シスメックスは、がんゲノムプロファイリング検査が行えるシステム:「OncoGuide NCCオンコパネルシステム」の製造販売の承認を日本で初めて取得した。この検査システムは、国立がん研究センターとの共同研究で開発されたもので、がん患者の遺伝子情報を解析して、各患者の遺伝子変異に合わせたオーダーメード治療を実施する『がんゲノム医療』で必須の検査技術である。本システムは全ての固形がんが対象で、がん患者の腫瘍組織から114のがん関連遺伝子プロファイルが取得できる。

【こちらも】少量の血液で14種のがんを検出できるシステム、PFNとDeNAが開発開始

 検査システムは、「OncoGuide NCCオンコパネル解析プログラム」と「OncoGuide NCCオンコパネルキット」より構成され、次世代シークエンサーを用いることでゲノムプロファイリングが行える。検査システムは、「遺伝子変異解析セット(がんゲノムプロファイリング検査用)(承認番号:23000BZX00398000)」として、日本国内のがんゲノムプロファイリング検査に基づく診療体制が整った医療機関を対象に来年2月(予定)より発売される。

 シスメックスでは、がんクリニカルシークエンシング検査をがん治療に早期に役立てるため、2015年から国立がん研究センター中央病院内にSysmex Cancer Innovation Laboratoryを開設して、がんゲノムプロファイルを活用した治療の臨床研究に参画してきた。この研究成果をもとに、シスメックスでは、2017年2月には、今回の開発システムを体外診断用医薬品・医療機器の先駆け審査の指定(指定番号:先駆審査(28診)第1号)を受け、その後、本年6月に製造販売承認申請し、今回の製造承認取得に至っている。

 なお、本年4月に先進医療として承認された「個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査」では、今回の開発システムと次世代シークエンサーが使用され、既に50施設のがんゲノム医療中核拠点病院等で350症例を対象に臨床使用されている。今後、シスメックスでは、本システムの保険適用申請を予定している。

関連記事

最新記事