乃木坂の魅力を発信し続ける演出家とは?

2018年11月19日 11:28

 11月19日の早朝に放送された『乃木坂工事中』(テレビ東京)は、22ndシングルのヒット祈願として、卒業する西野七瀬がバスで思い出の場所をめぐり、入れ替わりで乗車してくるメンバーとの思い出を語り合うという内容。

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 車内では思い出トークからプライベートの話まで、様々な話題で盛り上がり、充実した内容の回となったが、ラストに乗車し、2人きりでの会話をした白石麻衣の存在感が思った以上に大きいことを実感させた。

 その話題は、まだ初期の頃。番組も『乃木坂ってどこ』だった時代、他のメンバーにはくっついたりちょっかいかけたりできる西野が、白石にだけはそれが怖くてできず、しまいには泣き出してしまったときの映像が流れた。今では距離が縮まり、仲もよくなってきたことを、その場で抱き合いながらアピールして終わったが、白石麻衣というメンバーがどうしてここまでメンバーから、そして関係者から評価されるのか、少しわかった気がしたのだ。

 乃木坂の魅力の一つは、メンバーの成長の物語だ。

 田舎から出てきた生駒里奈がどんどん垢抜けていくのと同時に、視野が広がってTPOにあった振る舞いができるようになり、消極的で悲観的な行動が目についた西野七瀬が、明るく人懐っこい一面をどんどん見せるようになったのも、ネガティブで自分に自信がなかった齋藤飛鳥が先輩、そして選抜・センターとしての自覚とプライドを持って輝きを放っているのも、ファンにとってはたまらない魅力であり、同時にそれが他のメンバー、さらに2期、3期のメンバーも同様だと思う。

 しかし、白石麻衣の存在は、番組でもMCのバナナマン設楽がコメントしていたように

『白石って、入る前から白石だった』

 のである。

 もちろん、白石もこの7年で驚くほどの成長、変化はしているはずだ。

 しかし、乃木坂に入ったときから、誰が見ても美少女で、しかも年長組として年齢なりの常識と振る舞いができて、さらにプロ意識が高くて、メンバーから一目置かれていつつ、実はヘタレだったりサービス精神旺盛で人を楽しませるためにボケからツッコミから挙動不審な『ハフーン』までやってしまう人の良さは、すべてが変わりゆく乃木坂の中では不動の存在でもあった。

 ここでも何度か触れてきている乃木坂のスタッフや関係者に対する敬意と礼儀正しさは、運営の教育もあるだろうが、年長者である白石、さらには衛藤、橋本、深川、さらに初期の最年長である岩瀬佑美子らの薫陶というか、影響があると思われる。

 そう、不動の軸としての「白石麻衣」の存在感が、他のメンバーの劇的な変化、成長をより引き出させ、乃木坂の最大の魅力であるダイナミズムの源泉でもあったのではないだろうかと思うのだ。

 しっかりとした軸があるから、思いっきり変化、挑戦ができる。そういう意味では、乃木坂に白石麻衣というメンバーがいることの恩恵は計り知れないものがある。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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