フェアユースへの不当なDMCA削除要請をめぐる裁判、和解に
2018年7月2日 08:25
フェアユースにあたる著作物を含む動画に米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく削除要請をしたのは不当だとして、動画の撮影者がUniversal Musicを訴えていた裁判が和解に達したそうだ(EFFのブログ記事、Ars Technicaの記事、The Registerの記事、裁判所文書、YouTube動画)。 この動画は子供たちが遊んだり踊ったりする様子を母親が撮影した29秒間のホームビデオだ。母親は2007年2月にYouTubeで動画を公開したが、背後にプリンスの「Let's Go Crazy」が流れていることを理由にUniversalが削除要請を行う。動画はいったん削除されるが、フェアユースにあたるとする母親の異議申し立てを受けて同年6月には動画は復元された。 DMCAでは、故意に著作権侵害に関する誤った主張をして削除要請を行った者がそれによる損害の責任を負うと定められている。そのため、母親はEFFの支援を受けてUniversalを同年7月に提訴。その後10年以上にわたって争われるこの裁判は、「Dancing Baby」裁判とも呼ばれ、削除要請の正当性をめぐる数少ない例となった。 この裁判で第9巡回区控訴裁判所は2015年9月、フェアユースは単に法律上許容される行為ではなく、法律で定められた権利であることを認めている。意見書ではフェアユースにあたるかどうかについて権利者に誠実な判断を求めるにとどまり、精査の必要はないとも述べていた。しかし、2016年3月に出された改訂版の意見書では精査の必要がないとする記述は削除されており、アルゴリズムによる判定が十分であるとの記述も削除されている。 原告・被告ともに控訴審判決を不服として連邦最高裁に上告していたが、いずれも受理されなかった。そのため、連邦地裁での審理再開を前に、双方が和解することで合意に達したとのこと。 Universalはこの訴訟と並行して削除要請前の判断プロセスを改善してきた。動画に登場する乳児も今年で12歳。原告は現在のプロセスが11年前に存在していればEFFに出会うこともなかっただろう、と述べているとのことだ。
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