日ハム清宮、周りを黙らせるアーチを放つ

2018年5月10日 20:24

■清宮の快進撃開始

 9日、日本ハムの清宮幸太郎内野手がついにプロ第1号のホームランを放った。ドラフトで7球団から1位指名を受け日ハムに入団した清宮だが、オープン戦ではプロの投球に苦しみ、さらには体調不良となり戦線離脱。明らかに実力と評判が伴っておらず、今年は2軍生活になるかもしれないという見方もあった。あるいは優勝チームやCS進出チームが決まった後の消化試合で使われる可能性も考えられた。

 しかし、2軍でバッターボックスに立つとオープン戦とは打って変わって快音を残し、首脳陣に孟アピールすることに成功。1軍に昇格してもその勢いは衰えることがなく、高卒ルーキーの連続安打記録、さらには原辰則らが持つ大卒ルーキーの記録も破り、中距離バッターに適しているという印象を与えた。

■やはりホームランを打ってこその清宮

 しかしファンの願いはやはりホームランだ。高校生ホームラン記録を樹立した清宮の売りは飛距離。規格外の飛距離でホームランを量産し、試合を決定づける。限られた男にしか許されない決定的な仕事を成し遂げる姿を期待しているのだ。そのため、ホームランが飛び出したときにはメディアがオープン戦の不調時とは手のひらを返すように「新時代の幕開け」や、「伝説の序章」と言ったオーバーすぎる賞賛を記した。

 打撃は水物というがその使い方として「打率が良かったり調子が良かった選手が打てなくなったりした際」に使われる。しかし逆を打撃が水物であるとすれば、実力あるバッターが全く打てなかったのに、ふとしたきっかけでヒットを量産したり、ホームランを連発するということがあるということだ。

 そして清宮にそのようになってほしいと願っているファンは少なくない。

■清宮の宿命

 今後、清宮に付きまとってくることは記録である。高卒ルーキーの安打記録やホームラン記録、それをクリアできれば大卒、社会人を含めたルーキーの記録。飛距離や打球速度なども注目されてくることだろう。本人としてみたらうんざりしてしまうこともあるだろうが、それが大打者の宿命である。

 まずは松井秀喜のルーキーイヤーである11本塁打27打点を目指したいところだ。しかし日ハム首脳陣としてみれば、そこは最低ラインとみているのではないかと思う。本人や栗山監督は清原の残した3割4厘、31本塁打、78打点を見据えていることだろう。今後、栗山監督がどう発破をかけ清宮を成長させるのか注目どころである。5月の清宮旋風から目が離せないのは私だけではないだろう。

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