ディップは目先的な売り一巡感、19年2月期増収増益予想

2018年4月25日 09:32

 ディップ<2379>(東1)は、求人情報サイト「バイトル」や「はたらこネット」の運営を主力としている。18年2月期(連結決算に移行)は計画超の実質2桁増収増益だった。19年2月期も増収増益予想である。株価は19年2月期の増益率鈍化を嫌気する形で急反落したが、目先的な売り一巡感を強めている。出直りが期待される。

■求人情報サイトを運営

 アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」、正社員・契約社員求人情報サイト「バイトルNEXT」、総合求人情報サイト「はたらこネット」などを運営するメディア事業を主力として、人材紹介「ナースではたらこ」サイトのエージェント事業も展開している。新規事業として18年2月期第2四半期から、TBMが製造する紙やプラスチックの代替となる新素材「LIMEX」製品の販売を開始した。

 また17年11月に、AI(人工知能)関連の育成投資第2号および第3号案件としてジョリーグッドおよびGAUSS社の持分法適用関連会社化、新素材「LIMEX」製品を製造販売するTBMの第三者割当増資引き受け、オンデマンド給料サービス「ほぼ日払い君」を提供するBANQの子会社化を発表し、18年2月期第3四半期から連結決算に移行した。

■18年2月期は計画超の2桁増収増益、19年2月期も増収増益予想

 18年2月期(連結決算に移行)の連結業績は、17年2月期非連結業績との比較で、売上高が14.7%増の380億62百万円、営業利益が18.4%増の107億99百万円、経常利益が18.1%増の107億94百万円、純利益が22.1%増の75億31百万円だった。配当は7円増配の年間43円(第2四半期末19円、期末24円)とした。配当性向は31.8%である。

 計画超の2桁増収増益だった。主力のメディア事業における営業力強化で契約社数、求人広告掲載件数、契約1社当たり単価が順調に増加した。新卒307名入社による人件費の増加、TVCMやWeb広告の強化による広告宣伝費の増加、本社移転や拠点新設・増床に伴う経費の増加などを吸収した。エージェント事業は人員適正配置の効果で黒字化した。

 19年2月期の連結業績予想は、売上高が18年2月期比11.3%増の423億60百万円、営業利益が7.7%増の116億30百万円、経常利益が7.1%増の115億60百万円、純利益が5.7%増の79億60百万円としている。配当予想は2円増配の年間45円(第2四半期末20円、期末25円)とした。予想配当性向は31.5%である。

 営業強化に向けた296名の新卒社員入社に伴う人件費の増加、プロモーション力強化に向けたTVCMやWeb広告の強化による広告宣伝費の増加、媒体力強化に向けた投資、新素材「LIMEX」製品販売やAI・HR領域など新規事業に係る先行投資などを考慮して1桁増益予想だが、主力のメディア事業が牽引して上振れ余地があるだろう。

■株価は目先的な売り一巡感

 株価は4月6日に年初来高値3620円まで上伸したが、19年2月期の増益率鈍化を嫌気する形で急反落した。ただし2300円台から切り返して目先的な売り一巡感を強めている。4月24日の終値は2557円、今期予想連結PERは約18倍、時価総額は約1585億円である。

 週足チャートで見ると一気に52週移動平均線まで割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%近くまで拡大して売られ過ぎ感を強めている。目先的な売り一巡して出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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