宇徳 Research Memo(7):2019年3月期の経常利益は、30億円半ばも射程距離に

2017年12月11日 15:37


*15:37JST 宇徳 Research Memo(7):2019年3月期の経常利益は、30億円半ばも射程距離に
■宇徳<9358>の今後の見通し

1. 2018年3月期の業績見通し
第2四半期の実績がほぼ期初予想並みであったことから、2018年3月期の通期予想は据え置かれた。営業収入が前期比10.5%増の56,400百万円、営業利益で同7.3%減の2,700百万円、経常利益で同5.2%減の2,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.5%減の1,900百万円と増収減益の見通しだ。営業収入の前期から今期の2期間の半期ごと前年同期比増減率を見ると、-5.9%→+22.0%→+20.2%→+2.5%(予)となる。JEX事業の一部を譲受した前下期と今上期は変化率が大きくなったが、今下期の伸び率は大きく低下する。一方、営業収入経常利益率の同様の展開は、5.4%→6.5%→5.4%→4.9%(予)となる。今上期は、貸倒引当金の設定の影響を受けたことを考慮すると、下期の予想は控え目に見える。

2. 2019年3月期の見通し
2019年3月期のコンテナ貨物関連など港湾事業は、邦船3社の事業統合による影響が現時点では不明だ。また、東京五輪関連は、人手不足などが背景にあるため、競技場や選手村など優先順位が高いものに集中しており、同社にとっての大きな特需は期待が持てない。一方、自助努力で打開できる物流事業は収益性の改善が見込まれる。利益面で足を引っ張ってきた町田物流センターの運営は、2シーズンを経過して、作業に慣れ、ノウハウを蓄積してきたため全体的に業務効率が改善しており、次年度(2019年3月期)の黒字化を計画している。倉庫と配送を組み合わせたサードパーティーロジスティクスに取り組み、付加価値を高める。また、JEXから譲受した事業に関しては改善委員会を立ち上げた。新たに加わった物流倉庫のスペースを、十分に使い切れておらず、営業員を増強して、スペース運用効率の改善だけでなく、取扱品目も収益性の良いものに切り替え採算性向上を図る。さらに、2018年3月期に発生した貸倒引当金の設定の増加分である約4億円がなくなれば、それだけで大きな増益要因となる。当該案件は、最終顧客との直取引に切り替え、取引自体は継続している。2019年3月期の経常利益は、港湾事業で大きな変化がなければ、30億円半ばも射程範囲内に入ってくるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)《MH》

最新記事