日経平均は続落、中小型株の下げきつい、地政学リスク嫌気でポジション圧縮強まる/ランチタイムコメント

2017年9月5日 12:13


*12:13JST 日経平均は続落、中小型株の下げきつい、地政学リスク嫌気でポジション圧縮強まる
 日経平均は続落。90.94円安の19417.31円(出来高概算7億6000万株)で前場の取引を終えた。4日の米国市場はレーバーデーの祝日で休場だったこともあり、休場明けの米国市場の反応を見極めたいムードながら、4日の欧州市場は全般軟調ながらも0.3%程度の下げにとどまっており、自律反発の流れが先行した。しかし、寄付き直後につけた19542.78円が高値となり、その後はじりじりと利食いに押される格好となり、前引け間際には19400円を下回る場面をみせている。

 セクターでは輸送用機器を除く32業種が下げており、その他製品、水産農林、証券、海運、倉庫運輸、ゴム製品、精密機器、空運、情報通信の弱さが目立つ。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。売買代金上位では石川製<6208>など防衛関連の一角に資金が集中している。また、中小型株の売りが強まってきており、マザーズ指数の下落率は4.0%に迫っている。

 日経平均は自律反発の動きをみせたが、5日線に上値を抑えられる格好となっている。ボリンジャーバンドでは-1σでの攻防をみせており、踏ん張り処ではある。パラボリックはSAR値に接近してきており、陰転シグナル発生が近づいている。シグナルは悪化傾向にあるが、地政学リスクへの警戒感が強く、押し目買いを入れづらい需給状況にあるとみられる。

 ただ、下落率では日経平均が0.47%の下げに対して、韓国は0.09%、中国は0.04%の下げにとどまっている。また、TOPIXが0.54%の下げに対して、マザーズが3.95%、JASDAQが1.84%、東証2部が1.67%と個人主体によるポジション圧縮の動きが強まっていることが窺える。イレギュラー的な価格形成になりやすいが、まずは、北朝鮮情勢を見極めたいところであろう。(村瀬智一)《AK》

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