IoT技術活用の医療機器・システムは増加 2025年は16年比2.2倍の1685億円

2017年6月24日 13:48

 政府は第4次産業革命における変革のコア技術としてIoT、ビッグデータ、AI、ロボット・センサーに重点を置いており、また、経済の成長ドライバーの一つとなる医療・介護・健康関連産業の育成を図る方針を打ち出している。特に「日本再興戦略」ではIoT・AIの研究開発の推進や医療・健康分野への応用及び産業化が目標に掲げられており、それに伴い、医薬品、医療機器、医療ITなどの医療ビジネスに携わる様々な事業者がIoT・AIに関連した事業展開を進めている。富士経済は、医療分野におけるIoT・AI関連の国内市場について調査した。

 2014年11月の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)の施行により、スマートデバイスやスマートフォンのアプリケーションなどが医療機器として承認を取得できるようになったことでIoT関連機器・システム市場拡大の環境が整った。在宅医療や遠隔医療の拡大、医師不足への対応などにより、IoT技術を活用した医療機器・システムの需要は増加しており、今後の市場拡大が予想される。2016年時点では、IoT化が進んでいる医療機器・システムは限られているが、今後は様々な機器でIoT対応が進むとみられ、2025年の市場は2016年比2.2倍の1,685億円が予測される。

 通信機能搭載型人工臓器は、通信機能が埋め込まれた人工臓器、ウェアラブル型機器を対象とする。IoT化によるリアルタイムモニタリングを活かした在宅治療や、遠隔からでも機器の不具合や病態の急変などに即座に対応することが可能となるため、需要が増加している。

 品目別では、不整脈治療で必要不可欠な医療機器であるペースメーカー/埋込型除細動装置の占めるウェイトが高い。後期高齢者の増加に伴い大きく伸び、2025年の市場は2016年比55.8%増の1,058億円が予測される。特に埋込型除細動装置は市場開拓の余地が大きい。

 治療・モニタリング機器・システムは、IoT化によりモニタリングが可能になる機能検査装置、治療機器や治療薬を対象とした。IoT化により実現される遠隔モニタリングや在宅医療は、医師不足や公共交通廃止などの過疎地区の問題、大都市圏で深刻化する高齢者増加の問題への対応策として期待されており、対応する装置・機器の市場も徐々に拡大しつつある。

 その他医療関連IoTシステムは、遠隔医療支援IoTシステム/サービス、服薬管理支援システム、遠隔看視システム(在宅患者見守りシステム)を対象とする。在宅医療関係者や介護関係者の人手不足解消や、患者家族の体力的・精神的負担軽減に対応できるため、今後の需要増加が期待されるとしている。 (編集担当:慶尾六郎)

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