カルビー、「フルグラ」を中国へ輸出 京都に新工場設立

2017年5月2日 17:01

 カルビーがグラノーラの主力商品「フルグラ」の中国向け輸出を開始する。京都府に約75億円を投じて新工場を設立、既存の清原工場(宇都宮市)、8月から生産開始予定の北海道工場(千歳市)に加えて3棟目の生産拠点となる。新設工場により生産能力は現在の4割増になる見込みである。中国では高まる健康志向から、爆買を通じて「フルグラ」を日本の大人気商品として認知。潜在需要市場の余地が大きく、ECを通じた販売に踏み切る。

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 グラノーラとは、麦などの穀物加工品やナッツ類を糖蜜などと混ぜて焼いたものである。糖質が低く、栄養価が高いために日本では糖質ダイエットなどに用いられ人気に火がついた。

 ここ数年急成長を遂げたカルビーの「フルグラ」は、2011年にブランド名を「フルーツグラノーラ」から「フルグラ」に変更。CMなど派手な広告は控え、ブランド戦略をニュースや報道を通じたPR方式に変えることで徐々にその認知度が高まった。

 またコーンフレークを始めとする既存のシリアル市場でのシェアの奪い合いから、卵やフルーツがライバルとなる「朝食市場」に狙いを定めたことで主役から脇役へとシフト。ヨーグルトとの相性をアピールしてセットにしたことで脇役としての価値が高まった。現在はマンゴーやバナナなど多様なフレーバーを展開することで市場を拡大している。

 中国では爆買いのキーワードとして「体への影響が大きい、たくさん、小分け」が挙げられる。フルグラも中国で急激に高まる健康志向と自国商品への圧倒的な不信感から口コミでその人気に一気に火がついた。日本に観光する人たちが家族、友人、親戚へ買占めに走ったことにより一時は品薄状態に陥る一方で、中国本土での転売や流通も見受けられていた。

 カルビーは1970年に北米に進出、菓子業界としては海外進出最古参にあたるが、海外における業績は長らく低迷してきた。1988年から販売してきたコーンフレークの生産を終了し、中国では一定の認知度を持つ「フルグラ」に資源を集中することで、国内のみならず中国を始めたとしたアジアマーケットの拡大も見込んでいる。

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