アニメのアカデミー賞ことアニー賞!2017結果発表!

2017年2月18日 11:29

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 今月2月4日に第44回アニー賞の受賞結果が発表となりました。日本でこそ知る人ぞ知る賞になっておりますが、この賞は国際アニメーション協会「ASIFA」が主催する“アニメのアカデミー賞”ともされる映画賞です。アニメ好きとしては是非抑えておきたいこの賞。今年の受賞結果をざっくりではありますが主要作品を中心にチェックしていきます。

■ズートピアの大活躍


 一番の注目部門、Best Animated Featureこと長編アニメ作品賞を見事受賞したのは

 「ズートピア」でした。

 ディズニー作品にも「ファインディングドリー」や「モアナと伝説の海」など様々な傑作が生まれた2016年でしたが、とりわけ大本命とされるのが「ズートピア」です。アニー賞以前にもすでに多くの賞を受賞しており、アニー賞でも見事長編アニメ賞を受賞しました。

 その他、脚本賞、キャラクターデザイン賞、声優賞、絵コンテ賞も「ズートピア」が受賞。監督賞も「ズートピア」のバイロン・ハワード監督とリッチ・ムーア監督が受賞しました。実は「君の名は。」の新海誠監督もこの監督賞のノミネート対象として名を連ねていたのですが、残念ながら「ズートピア」の前に敗れてしまいました。

 「ズートピア」は今年のアニー賞において最多6冠という、前評判通りの好成績を残しました。

■追いかけるKuboも見逃せない!


 「ズートピア」と同じく、今年の賞レースで有力視されているアニメ映画が「Kubo and the Two Strings」です。

 日本ではまだ未公開の作品ですが、本作のテーマはなんと日本!「コララインとボタンの魔女」や「パラノーマンブライス・ホローの謎」を送り出した、ストップモーションアニメでお馴染みのLAIKAの最新作です。

 残念ながら本作も長編アニメ作品賞に、「ズートピア」と同じくノミネートされておりましたが、受賞を逃してしまいました。ですが、キャラクターアニメーション賞、美術賞、編集賞を受賞し「ズートピア」に次ぐ最多3冠を成し遂げ、こちらもアニー賞でも前評判通りの好成績を収めました。

 日本を舞台にした作品が海の向こうで大きな支持を受けているということに、嬉しく思うと共に、一早く日本公開が望まれる次第です。

■日本人としては注目のその他の賞


 そして忘れちゃいけないのがインディペンデント作品賞。

 この賞は昨年から新設された賞で、アメリカでの上映館数が1000館未満の作品であることなど、ディズニー作品の様なアメリカの大規模公開の作品とは別に、小規模公開やアメリカ未公開作品を別枠で評価していこうと設けられた賞です。

 日本関連作品もこの枠内にてノミネートされており、「レッドタートルある島の物語」「百日紅~MissHokusai~」「君の名は。」がノミネート5作品の中に選ばれました。残る2作はフランスとデンマークの合作「Long Way North」と、フランスとスイスの合作「My Life as a Zucchini」という日本でこそ知名度がそこまで高くない作品ですが、各所で評価の高い2作品。

 この中で見事インディペンデント作品賞を受賞したのが・・・

 「レッドタートルある島の物語」でした。

 本作はフランス、ベルギー、日本の3国共作。ジブリが協力していることでお馴染みの作品です。ノミネート作品の中でも一番参加国が多い本作が受賞となりました。日本でこそインパクトのあるヒット作品とはなりませんでしたがアニー賞に限らず、本作も各所で評価の高い作品です。

 また功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞には、今年押井守監督が選ばれていることも日本人としては見逃せない話題です。まもなく公開が控える、実写版『攻殻機動隊』こと「ゴースト・イン・ザ・シェル」についても、押井守監督が監督を務めたアニメ版の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を彷彿される映像が、事前発表の映像に多々盛り込まれています。押井守監督が、海外にも大きな影響を与えたことが実感できるタイムリーな受賞結果となりました。

 その他、音楽賞に「リトルプリンス星の王子さまと私」。視覚効果賞と、声優賞では「ズートピア」とタイ受賞を果たした「モアナと伝説の海」、短編アニメ賞では「ファインディングドリー」と同時公開となった「ひな鳥の冒険」、TVアニメ作品賞では「タンブルリーフ」や「アドベンチャータイム」、「ボブズ・バーガー」なども受賞を果たしました。今年はこの辺りもチェックしておきたいところ。

 海外のアニメ事情を観察する意味でも、注目のアニー賞。海外ではどんな作品がウケてるんだろう?という疑問にも、非常に参考になると思いますので、今年だけに限らず来年以降も気にしてみてはいかがでしょうか。

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(あにぶ編集部/ネジムラ)

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