非正規待遇改善が経済好循環につながる、経団連・榊原会長

2017年1月25日 09:13

 日本経済団体連合会の榊原定征会長は23日の記者会見で「経済の好循環が力強さを欠く原因の一つは個人消費の伸び悩み」と指摘し「背景の一つには30代、40代の働き盛りが非正規になっていること。非正規社員の待遇改善が進めば消費の活性化、経済の好循環につながることが期待される」と語った。

 また春季労使交渉について「各社における労使交渉の結果として、昨年並みあるいはそれを上回る賃金引上げが実現することを期待したい」と語った。

 そのうえで「ベアを含め賃金引上げにどう取り組むかは個社ごとの状況、具体的には支払い能力、業績、労使交渉次第だ」とし「2017年版経労委報告の中で賃金引上げに向けた私の思いを示したが、各社がこれを受け止め、前向きに交渉に臨んでくれることを期待したい」と要請した。

 働き方改革については「長時間労働の是正と同一労働同一賃金の実現である。長時間労働の是正については、現在の36協定では、労使が合意すれば、制限なく残業ができる仕組みとなっている。これを見直すことは必要であり、上限規制を設けることの必要性は認めている」とした。

 ただ、榊原会長は「業務の内容や繁閑の差や業種の特性にも配慮した事業の継続性という観点も重要。従業員の健康保護と事業の継続性の両面から検討しなければならない」と強調した。(編集担当:森高龍二)

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