金星上で長さ1万kmほどの弓のような模様が観測される
2017年1月20日 17:13
金星探査機「あかつき」が、金星の北半球から南半球にまたがる長さ約1万km、幅数百kmの弓状の模様を観測したそうだ(立教大学の発表、Nature Geoscience掲載論文、natureasia.com、日経新聞、ハザードラボ)。
この模様はあかつきに搭載された中間赤外カメラ(LIR)によって2015年12月に撮影されたもの。4日間に渡る観測期間中、常に同じ場所にとどまっていたという。金星では「スーパーローテーション」と呼ばれる、秒速100mにも達する強い東風が吹いているが、この影響を受けていないことからその形成メカニズムが注目されたという。
研究者らが調査したところ、この模様の中心部分直下には標高約5kmの大陸が存在していたという。この地形を模擬した数値シミュレーションを行ったところ、高度10kmの下層大気における気圧変化によって模様が生成されることが示されたそうだ。
なお、この模様は2016年1月には観測されなくなり、別の時期に別の場所で同様の構造が確認されたという。