産学協働でロコモティブシンドローム抑制のための健康状態測定方法を研究進める
2016年6月29日 08:39
来たるべき超高齢化社会による介護コストの増加や介護者不足が深刻な問題となりつつある。要介護者の人口を減らすべく厚生労働省は様々な施策を打ち出しているが、その柱の一つとなるものにロコモティブシンドローム(以下ロコモ)の予防がある。運動器の障害により移動機能が低下した状態であるロコモは、要支援・要介護となる原因の25%を占めている。このことから、「健康日本21(第二次)」では2013年よりロコモの認知度アップのための啓発活動を行ってきており16年3月の時点で47.3%の国民が認知するに至っている。また、40.5%がロコモに対する不安を感じていることがわかっており、こうしたロコモ予防の重要性への意識の高まりが、個人や介護事業者での健康状態・運動機能測定への需要に繋がっている。
ロコモ予防のための健康状態・運動機能測定としては、体力テストやアンケートによる簡易的なものが一般的である。近年では、より正確で手軽に測定するための製品やサービスが続々とリリースされており、直近では体組成計の技術で定評があるタニタが、6月1日より運動機能分析装置「ザリッツ」の販売を開始している。「ザリッツ」は筑波大学体育系との共同研究により開発され、椅子から立ち上げるだけで脚の筋力とバランスの状態を精密に運動機能が分析装置できる。また、同日6月1日よりキャノンが運動機能測定システム「ロコモヘルパー」の提供を開始し介護予防事業所向けソリューション事業に参入している。「ロコモヘルパー」はマイクロソフトの赤外線深度センサーカメラ「Kinect」を活用することで、ロコモの判断基準となる運動種目について自動測定・評価・記録する。
こうした背景のもと、日立ハイテクノロジーズと北海道大学大学院医学研究科は5月20日より、産学協働プロジェクト「ロコモティブシンドローム抑制に向けた健康状態計測方法の研究」を開始した。この研究では、ロコモ予防に対して最適な健康状態の計測手法や計測対象、タイミングや結果のプレゼンテーション方法などについて明らかにする。
従来情報技術の革新から取り残されがちだった介護福祉分野も、切実な個人のニーズが後押しして急速に最新技術の活用が進んでいる。ロコモの予防に関する新たな知見が、製品やサービスに反映されることは間違いないだろう。(編集担当:久保田雄城)
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