日立システムズなど、茨城県笠間市と「服薬支援クラウドサービス」を共同実証
2016年6月23日 20:54
日立システムズとクラリオンは、茨城県笠間市の協力を得て、4月から笠間市において「服薬支援クラウドサービス」の試験導入と笠間市が運用する「介護健診ネットワーク」との連携に関する実証実験を行った。その結果、両サービスの連携により、地域の医療や介護に関わる関係者のスムーズな情報共有が図れ、これまで以上に連携したケアが行えることが実証されたという。
笠間市は2014年10月からクラウド型の「介護健診ネットワーク」の運用を開始していた。要介護者の緊急連絡先や要介護認定状況、健康診断結果、ケアプラン、お薬手帳、さらには現在の病状といった情報をクラウド上に集約し、笠間市や要介護者の家族、地域の介護・医療関係者が、インターネット経由でリアルタイムに共有・閲覧することができるシステム。
日立システムズは、クラリオンが高齢者や要介護者向けに開発した服薬支援装置「服薬支援ロボ」を活用した「服薬支援クラウドサービス」の販売を昨年10月から開始。同サービスは「服薬支援ロボ」による服薬支援機能と服薬履歴や残薬情報を遠隔地で参照できる仕組みを提供し、誤飲防止などのケアに関わる関係者の業務効率化を支援するクラウドサービスだ。
実証実験は、笠間市内の居宅療養患者3人に「服薬支援ロボ」を提供し、適切な時間に必要な量だけ服薬できる環境を整備し、「介護健診ネットワーク」との連携により、地域の介護・医療関係者らが、要介護者の服薬履歴や残薬の情報を参照できるようにした。
その結果、自分で薬が飲めなかった患者が「服薬支援ロボ」の支援により、自分で自発的に薬を服用できるようになり、予定時間に服薬されなかった場合も人感センサーによって患者がロボットの前を通過した際に、ロボットが再度服薬のアナウンスを行うことで飲み忘れを防ぐことができ、一方で薬剤師は要介護者が予定通り服薬したかを確認できるようになった。さらに、人感センサーの反応履歴を確認することで、居宅療養では把握しにくい患者の活動量など、患者一人ひとりのより正確な状態を把握できるようになったという。