コミュニケーションロボットの導入を検討する企業は10% のみ 導入をためらう理由とは?
2016年2月23日 08:25
MM総研はコミュニケーションロボットの企業需要動向調査に関する調査結果を発表した。
企業に対して、コミュニケーションロボットの認知度について質問したところ「どのようなことができるか機能等も含めて知っている」が13.6%、「言葉を聞いたことがあるが、具体的な機能までは知らない」が47.1%で前2者を合計した60.7%の企業が程度に差はあるけれど認知しているという結果が出た。
個別のコミュニケーションロボットを知っているかどうか複数回答で質問したところ、最も認知度が高かったコミュニケーションロボットはソフトバンクロボティクスが企画・開発を行っている「Pepper」(ペッパー)で、認知度は63.4%であった。
Pepperの認知度がコミュニケーションロボットの認知度を超えており、コミュニケーションロボットという概念は知らなくてもPepperは知っているという状況になっているのが興味深いところである。
認知度でPepperが他社製品を大きく引き離しており、コミュニケーションロボット市場はソフトバンクロボティクスの一強体制になっていると考えていいだろう。
またコミュニケーションロボットの導入意向について質問したところ、「導入している」が2.4%、「導入を検討している」が4.2%、「導入を検討したが断念した」が3.5%、「特に必要がないため導入検討はしていない」が89.9%となり、10.1%の企業(導入を断念した企業3.5%を含む)が導入に前向きである一方で、全体の導入意向は高くないことが明らかになった。
前述の「導入している」、「導入を検討している(導入のためにメーカーと打合せを実施している等)」、「導入を検討したが断念した(メーカーへの問い合わせを実施したことがある等)」と回答した回答企業に対して、コミュニケーションロボットの活用方法(予定を含む)について質問したところ、最も多かった活用方法は「店舗に設置して接客対応に活用」で32.7%、次が「店舗に設置してマーケティングツールとして活用」で26.0%、3番目が「イベント・展示会の会場等で来場者対応に活用」で21.2%であった。
「導入を検討していない」と回答した回答企業も含め、全回答企業に対してどのようなことが導入の阻害要因になるかについて質問したところ、最も多かった回答は「業務上、活用する余地がない」の30.6%、次が「導入コスト」の20.4%、3番目が「投資対効果が不明確」の19.9%という順になった。
「業務上、活用する余地がない」という状況が変わるかどうかについては、今後、アプリケーション開発などが可能な拡張性の高いコミュニケーションロボットを市場に投入することで業務用アプリケーションの開発が進めば、活用余地が拡大する余地があるだろう。
「投資対効果が不明確」という課題に対しては、コミュニケーションロボットの導入事例を増やして投資対効果を測定する機会を増やし効果を示すという方法が考えられる。活用が進めば、量産効果により販売価格が低下するということもありえるだろう。(編集担当:久保田雄城)