TPP協定、企業の64.5%が日本にとって「必要」

2016年1月21日 21:21

 2015年10月5日、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定が大筋合意された。高い水準の自由化と高度なルールを、世界の GDPの約4割を占める12 カ国が約束したことで、関税等の大幅な削減・撤廃が行われ、域内全域に共通のルールが適用されることとなる。TPP協定は、域内市場の一体化が進展し、ヒト、モノ、資本、情報が活発に行き交うことで、日本経済の活性化につながると期待されている。

 他方、農産物などにおいては、関税撤廃などによる国内生産者への影響が懸念されているほか、金融や社会保障分野でのルールも課題に挙げられている。これを受け、帝国データバンクはTPPに関する企業の見解について調査を実施した。

 まず、TPPは「自社の属する業界」にとって必要だと思うか尋ねたところ、「必要だと思う」と回答した企業は 29.7%となり、「必要だとは思わない」(30.6%)と拮抗する結果となった。しかし、TPP交渉への参加が議論されていた前回調査(2010年12月調査)と比較すると、「必要だと思う」が8.6ポイント減少した一方、「必要だとは思わない」は9.6ポイント増加しており、自社の業界にとって 5 年前より TPP 協定の必要性を捉えかねている企業が増えていることが明らかとなったとしている。

 また、TPP 協定が「日本」にとって必要だと思うか尋ねたところ、「必要だと思う」と回答した企業は 64.5%に達し、「必要だとは思わない」(9.7%)を大幅に上回った。前回調査と比較しても傾向に大きな変化は見られず、日本全体で考えた必要性は依然として多くの企業が有している様子がうかがえるという。

 次に、現時点において、TPP協定が自社にどのような影響を与えるか尋ねたところ、「プラスの影響がある」と回答した企業は16.3%となった。「マイナスの影響がある」は1割未満にとどまったものの、「分からない」が4割近くに達している。他方、「影響はない」は37.9%だった。TPP協定について、3割の企業が自社業界に必要としながらも、多くの企業で自社への影響を必ずしも捉えきれていないことが浮き彫りとなったとしている。

 TPP協定が自社に「プラスの影響がある」または「マイナスの影響がある」と回答した企業2,488社に対して具体的にどのような影響が想定されるか尋ねたところ、「プラス面」としては、「原材料コストの低下」が38.9%で最も高かった。以下、「輸出の増加」「売り上げや利益の増加」が3割台だったほか、「調達ルートの拡大」「自社の競争力向上(貿易・投資ルールの統一化・透明化・簡素化などによる)」が続いた。参加国の関税引き下げによる原材料価格の負担軽減や輸出増加など、輸出・輸入両面でのプラス要素が挙がっている。また、ルールの統一化などによる競争力向上も上位となった。

 そして、TPP 協定への対応について自社内で検討しているかどうか尋ねたところ、「検討してない」が81.1%だったうえ、「すでに検討した」「現在、検討している」「検討を予定している」を合計しても1割に満たない。現状ではほとんどの企業で対応策を進めていないことが明らかとなったとしている。(編集担当:慶尾六郎)

関連記事

最新記事