1か月200時間超の残業も手当払われず―過重労働の電話相談

2015年11月25日 14:53

 厚生労働省は24日、過重労働や賃金不払残業撲滅に向けた「過重労働解消相談ダイヤル」と「労働条件相談ほっとライン」の相談結果をまとめた。長時間労働や過重労働、賃金不払残業、休日休暇についての相談が多く寄せられ、労働現場の過酷な状況も浮き彫りになった。1か月200時間を超える残業も労働時間管理されず、残業手当一切支払われないとの相談もあった。

 過重労働解消相談ダイヤルは7日に都道府県労働局の職員が直接相談を受け付けたもので、488件の相談があった。労働条件相談ほっとラインは委託事業で平日夜間・土日に無料相談を受け付け、4月1日から11月7日までの約7か月間に1万6788件の相談があった、としている。

 両方の相談件数は1万7276件で、このうち賃金不払い残業が1468件、長時間労働や過重労働が926件、休日・休暇が1406件に上っていた。

 寄せられた相談内容では50代のトラック運転手の場合「1か月100時間以上の残業をしている。労働時間は運転日報で管理しているが、過少申告の記載が当たり前になっており、実際の労働時間が適正に把握されていない」というものや50代の証券会社営業社員では「ほとんど毎日4時間以上残業し、本社や支店長の命令で営業実績を上げるべく本来休日の土曜日も毎週出勤している、残業時間は1か月100時間を超える」というものだった。

 50代の食料品製造業勤務者は「毎日午前6時から翌日午前2時くらいまで働いており、1か月200時間を超える残業をしているが、労働時間が管理されておらず、残業手当は一切支払われない。定期健康診断も実施されていない。事業場内では長時間労働により、うつ病を発病し自死した労働者もいるようだ」などの相談もあったとしている。(編集担当:森高龍二)

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