ソニーとオリンパス、4K対応の内視鏡を共同開発

2015年9月20日 23:43

 今や「4K」という言葉も、すっかり耳馴染みした感がある。すでに4Kテレビをお茶の間に設置されている方も多いだろうし、今では4Kを超える画質の「8Kテレビ」の発売も行われつつある。しかしこうした高画質技術は、テレビモニターにのみ使用されるわけではない。例えば医療の現場でも活用が検討されている。

 そうしたなか、ソニー<6758>とオリンパス<7733>は16日、両社が共同出資する「ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ」において、世界初の高速自動焦点(AF)を備えた外科手術用の4K内視鏡を10月上旬に発売するとの発表を行った。この4K内視鏡は、オリンパスの内視鏡にソニーの映像技術を融合させることで実現。これを使用することで難易度の高い手術の精度を高めることが可能となる。

 4Kの映像がフルハイビジョンの約4倍の解像度を持ち、今回発売が発表された4K内視鏡では、手術時に55インチのモニターも用意することで、大画面で鮮明に患部を確認することができるようにする。また4Kの技術により拡大しても高画質な映像で見ることができるため、毛細血管や神経などを傷つけるリスクを低減させることができるという。10月常住よりオリンパスが日本とヨーロッパで順次発売し、2017年には世界年間販売台数1000台を目指す。日本の価格はシステム一式で約1700万円となっている。

 4K内視鏡の対物レンズには、高級1眼レフで使用されるEDレンズを採用。2次スペクトラムの発生を抑制することで、コントラストの効いた画質を実現することができる。またカメラヘッドにはソニーのCMOSを搭載しており、どのような診療科であっても持ちやすい形状を追求した。

 ソニーとオリンパスは12年9月に資本・業務提携を行っており、13年4月にソニーが51%、オリンパスが49%を出資する「ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ」を新しく設立した。今回の4K内視鏡はその開発製品の第一弾となる。高齢化が進行するとともに、電機・精密機器メーカーは医療分野を新たな成長の柱と位置付けており、今後、各社による製品・技術開発競争はますます過熱しそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)

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