世界株安への警戒、過剰反応後は押し目買い意欲の強さを意識/東京株オープニングコメント
2015年7月6日 08:48
*08:48JST 世界株安への警戒、過剰反応後は押し目買い意欲の強さを意識
6日の東京市場は波乱の展開になりそうだ。ギリシャで、財政緊縮策の受け入れを争点に行われた国民投票は、緊縮策に反対が6割を超え、チプラス首相は勝利を宣言した。ギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯びたとの見方から、為替市場ではドル・円が一時1ドル121円85銭、ユーロ・円は1ユーロ133円84銭辺りまで円高に振れていた。シカゴ日経225先物は時間外で400円を超える下げとなるなか、幅広い銘柄に売りが先行することになろう。
過剰に反応しやすいのが今の日本株市場の特徴でもあり、まずは売り一巡後の底堅さのほか、日経平均の2万円処でのボトム意識を見極めたいところ。また、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は、7日にユーロ圏首脳会議を開催するよう求めていると報じられており、今後のギリシャと債権団との協議を見守る格好になろう。
国内では7&IHD<3382>、ファーストリテ<9983>など小売企業の決算が続くほか、米企業の決算シーズンに入る。そのため、業績等を手掛かりとした個別物色の流れが強まりそうだ。また、テーマ性のある銘柄等で好業績が確認されてくるようだと、インバウンド関連といったテーマ全体へ期待感が波及しやすいとみられる。
その他、「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録決定したほか、メコン流域5カ国が、日本にインフラ整備協力要望と伝えられている。訪日外国人増加を背景に地方空港などの設備増強なども伝えられるなか、関連銘柄への物色が意識される。なお、中国の大手証券会社21社が急落している上海の株式相場を下支えするため、合計1200億元(約2.4兆円)の資金を出してETF(上場投資信託)に投資する異例の対策を発表した。下げ止まりがみられるかに注目する。《AK》