インテージHDは第2四半期は計画を大幅に上回る大幅増益
2014年11月27日 09:10
■システムソリューション事業および医薬品開発支援事業で好採算案件の受注が好調
インテージHD <4326> の今期15年3月期第2四半期連結業績は、売上高は計画を若干下回ったものの、システムソリューション事業および医薬品開発支援事業で好採算案件の受注が好調に推移したことなどにより、計画を大幅に上回る大幅増益となった。
第2四半期連結業績は、売上高193億38百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益13億17百万円(同49.7%増)、経常利益12億55百万円(同54.6%増)、純利益20億85百万円(同473.2%増)と増収大幅増益。純利益の伸びが大幅に伸びたのは、医薬品開発支援事業において臨床開発事業及びこれに付随する事業を伊藤忠商事へ譲渡したことに伴い、売却益として29億11百万円の特別利益を計上したことによる。
当初予想数値と比較すると、売上高1.3%減、営業利益46.3%増、経常利益63.0%増、純利益22.6%と売上高は予想を若干下回ったものの、利益面では大幅に上回っている。
同社の事業は、市場調査・コンサルティング、システムソリューション、医薬品開発支援の3事業に区分されている。
セグメント別売上高は、市場調査・コンサルティングは146億60百万円(同10.8%増)であった。売上高の内訳は、パネル調査83億10百万円(同5.0%増)、カスタムリサーチ63億40百万円(同19.6%増)となっている。
パネル調査では、インテージの全国個人消費者パネル調査やシングルソースパネル、医療情報総合研究所の処方情報分析サービスが堅調に推移している。
カスタムリサーチは、インターネット調査ではアンテリオ(ヘルスケア系)は好調だが、全体で見ると伸びは鈍化している。一方で、従来型調査では新規連結効果及び国内案件の売上が増加している。
システムソリューションは前期に引き続き、受注機会が増大している。中でも特に、卸売業・旅行業分野において、リプレース案件が増加していることで、25億07百万円(同7.6%増)と順調であった。
医薬品開発支援は、6月に臨床開発事業を売却した影響で21億69百万円(同26.4%減)となったが、残った医薬情報事業(市販後調査領域)の売上は大きく伸びている。
セグメント別の営業利益は、市場調査・コンサルティングは、パネル調査の増収効果に加え、中国事業の再構築が順調に進み、損失が縮小したことで、10億99百万円(同17.7%増)となった。
システムソリューションは、好採算案件の受注が好調なことから2億42百万円(同155.9%増)と大幅増益。
医薬品開発支援は、EDCシステム(電子的臨床データ収集システム)の売上増加が赤字幅縮小に貢献したことで、△24百万円(前年同期は△1億48百万円)となった。医薬情報事業だけでみると上期は黒字を達成している。
なお、同社では市販後調査領域の国内マーケットを約200億円規模と推計しており、早期に20~30%程度のマーケットシェア確保を目指している。
第2四半期業績が計画を上回るペースで推移したことから、通期業績予想も上方修正している。売上高は前回予想通りの440億円(前期比3.5%増)、営業利益は前回予想を4億円上回る36億円(同2.7%増)、経常利益は5億円上回る35億円(同3.5%増)、純利益は1億70百万円上回る29億円(同76.6%増)を見込でいる。
今後3カ年の連結売上高、営業利益計画も発表している。今期は売上高440億円(対前期比3.5%増)、営業利益36億円(同2.7%増)、16年3月期は売上高470億円(同6.8%増)、営業利益40億円(同11.1%増)、17年3月期は売上高520億円(同10.6%増)、営業利益46億円(同15.0%増)と増収増益で最高益更新を見込んでいる。 なお、この数字は既存事業だけで達成する計画で、M&Aを見込んだ数字は含まれていない。
配当については、期末配当30円(前期27円50銭)と2円50銭の増配を予定している。
11月19日には同社の第2四半期決算説明会が行われ、代表取締役社長 宮首賢治氏が各事業のトピックスや進捗状況について説明を行った。
「今年から第11次中期経営計画として3カ年の計画をスタートした。基本方針は、『リノベーション&イノベーション』ということで、従来からの主力商品であるパネル事業・リサーチ事業を再活性化させるとともに、新たにコミュニケーション領域にもチャレンジする。また、グローバル事業も継続していく。重点課題として『主力事業再強化による市場価値向上』、『「モバイル&シングルソース」「グローバル」「ヘルスケア」領域の着実な成長』、『リサーチの枠にとらわれない新たなビジネスモデルの模索と確立』、『最適化の視点による戦略立案・推進のマネジメント強化』を掲げ、さらにアグレッシブな展開を加速していく。
『主力事業再強化による市場価値向上』としては、従来、基幹事業として、消費者および小売店領域の調査データを主にメーカーに提供してきたが、新たにこれらのデータを活用して、経済指標を開発したいということで、一橋大学、新日本スーパーマーケット協会と共同で「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」を開始した。
従来の物価指数は主力のいくつかのアイテムを使って把握されていたが、インテージが捕捉している数百万種類の商品取引データ(POSデータ)を分析することで「消費者購買指数」を算出する。同指数は業態別、地域別にも分析することが可能で、今まで分析が難しかった「新商品」の投入による経済への影響・効果も分析可能になる。また、生鮮・惣菜PОSデータも今後取り込む予定。
もうひとつのトピックスとしては、米ニールセンとの小売パネル調査の相互販売パートナーシップを契約したことで、同社のSRI(全国小売店パネル調査)とニールセンが世界104か国でサービスを展開しているRMS(消費者パネル調査)をお互いに販売できることになった。インテージの顧客が海外に進出する際は、インテージはニールセンのデータをハンドリングすることが出来る。逆に、ニールセンの顧客が日本に進出する際には、インテージのSRIが利用できるということになっている。大きな投資をすることなく、相互のデータを利用できることから、両社の顧客ニーズにマッチしたもので、両社にとってプラスとなる業務提携である。
『リサーチの枠にとらわれない新たなビジネスモデルの模索と確立』としては、メディアコミュニケーション事業を開始するということを中期経営計画で明確にしている。2年前にNTTドコモの国内最大規模の顧客基盤と、インテージの情報活用ノウハウの融合により、圧倒的な規模と品質を備えた新しいリサーチ&コミュニケーション事業を企画・開発し、生活者と企業に情報を提供することを目的に、ドコモ・インサイトマーケティングを設立した。今回、同社においてDMP(データマネジメントプラットフォーム)事業を7月より開始した。
サービス内容は、クライアントが自社で保有するデータにNTTドコモが保有するデータとインテージのパネルデータ・シングルソースデータ、その他提携パートナーが保有する多様なデータを統合・解析することで、ターゲット像を明確にし、企業のプロモーション活動や商品開発などのマーケティング活動を支援するというもの。これを我々はパネル調査に次ぐ事業に育てる計画。
ヘルスケア領域については、先に説明した通り、医薬品開発支援事業を担うアスクレップの事業を本年6月に分割、臨床開発事業を売却して同社の得意領域であるPMS(市販後調査)領域を対象とした医薬情報事業を残した。同社が開発したPMS用EDCシステム「ADDIN」は、『医師の負担を軽減する画面設計』、『多彩なデータマネジメント機能と効率的な処理能力』、『CRО一体型で製薬企業を全面的に支援できる』という3つの特徴を持っている。それらが評価されたことにより売上が伸長し、同社におけるEDC化比率は約70%(前期末時点)から90%超(今期第2四半期末時点)と高まっている。また、「ADDIN」の14年11月現在の受託実績は、11年と比較すると社数、調査数ともに数倍増となっており、5年前から投資してきた成果が出てきたと見ている。今後は、この勢いで、シェアの拡大を目指す。
新たな取組としては3つトピックスがある。1つめは「メディトライアル」。
従来、OTC(一般用医薬品)は、試供品としてエンドユーザーに届けることが難しかった。そもそもターゲットとなる顧客がどこにいるのか探すことさえ困難であった。そのうえ、試供品は薬事法の縛りがあるため様々な制約があり、エンドユーザーに配布することができなかったが、本サービスは各種法令に則り薬事チェック、パーミッションを得たうえでOTC薬品を送付する。これにより、使用理由や感想、実購買状況等の確認を行うなど、今まで捉えられなかったデータを集めることが可能となった。
2つめは、京都コンステラ・テクノロジーとの資本・業務提携契約を行った。同社は京都大学発のベンチャーとして08年3月に設立。製薬企業・研究所の創薬研究支援、医薬品の副作用情報などのデータベース検索システムの開発など、最先端の計算科学技術を用いて独自のサービス・製品を提供している。
同社は市販後調査領域において、副作用情報をデータベース化した「有害事象検索システム」を提供しており、当社グループにおける市販後調査領域サービスとのシナジーを期待している。
3つめは、ヘルスケアに特化したマーケティングリサーチを行っている連結子会社のアンテリオが、韓国市場調査業界で4位のHankook Researchと本年9月に合弁会社「PLAMED Korea」を設立した。事業目的は、ドクターアクセスパネルを活用した市場調査、市場調査データの販売である。
この結果、アジア主要3か国(日本・中国・韓国)において医師パネル「Plamed Asia Panel」による、ドクターWeb調査サービスを世界中の医療系調査会社へ提供が可能となる。製薬企業・医療関連企業の意思決定をスピーディかつ優れたコストパフォーマンスでサポートし、アジアNO.1のドクター調査パネルにしたい。」
以上のように、従来の事業を充実させると共に、新しい領域に進出することで、事業拡大を実現していくと述べた。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)