【材料でみる株価】三愛石油は羽田空港の12月から開始されるC滑走路延長で事業拡大のチャンス迎える、押し目買いの好機

2014年10月18日 17:32

 三愛石油 <8097> は、羽田空港の発展を受けて、業容拡大期を迎えている。国土交通省は羽田空港C滑走路を現在の3000メートルから沖合いに360メートル延ばし、12月11日から運行をスタートさせると発表した。

 この延伸により、深夜早朝での大型旅客機就航が出来るようになった。エールフランスでは大型旅客機A380の羽田就航を強く要望している。

 このほか、羽田では沖合いに5本目となる滑走路建設を計画しており、ますます、旅客機の離発着は増加するものと予想される。

 以前、観光庁長官の久保成人氏に、あるパーティで話を聞くことが出来た。「安倍首相から東京オリンピック開催の2020年までに日本に来られる外国人観光客の数を2000万人(2013年1036万人)にするように、要請された。しかし、これを実現するためには、玄関口となる空港の拡張が絶対に必要だ」と言われていた。その要が羽田空港であるのは間違いない。

 となると、羽田空港で旅客機にジェット燃料を給油している同社にとって業容の拡大の好機となり、中長期的に業績を下支えする強い要因になるものと期待される。

 幸い2015年3月期の業績はプラス傾向をたどっている。今の見通しだと、売上高は前期比ほぼ横ばいだが、経常利益は同5.6%増益を確保する見込みだ。当期利益も同7.2%増益となり、予想一株当たり利益は61円(前期57円)に向上する。続く、来期は石油化学品事業の回復もあって、増収増益が期待できるのではないだろうか。

 株価はPER10倍前後、PBR0.67倍前後と比較的、割安水準にある。しかし、直近の株価はさえない展開となっている。2013年8月安値388円を起点に、上昇して2014年6月845円まで買い進まれた。この10か月間で約2.2倍になったことから、目先、目標達成感が台頭したのは事実だ。6月までの買いは、日本の観光客増加で同社株に対する期待感が背景にあったものと推測される。しかし、これからは、観光客増加に向けた具体的な対策が次から次と打ち出され実行に移る。つれて同社の収益力向上がいよいよ現実なものになってくる。

 株価もこれまでの理想買いから現実買いへ向かうものとみられる。利食い売りも峠を越しつつあり、調整一巡感が出始めてきた。目先的には800円台の回復が見込まれる。今は中長期投資から押し目買いのチャンス到来と判断できるのではないだろうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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